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越前町の指定文化財を訪ねよう127

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福井県越前町

■『小粕窯跡(こかすかまあと)』編(2)
E子:こんにちは!
学H:こんにちは。今回も小粕窯についてみていきます。
小粕窯跡は八世紀前半に操業し、三基以上の窯跡からなります。一・二号窯では発掘調査が行われ、発掘調査後に踏査(とうさ)によって三号窯の存在が明らかとなりました。また、三号窯の掘崩斜面上端(ほりくずしゃめんじょうたん)に沿って一〇mほど登った位置においても瓦片が収集されており、別の窯が存在するとみられています。
E子:神し明ヶ谷須恵器窯跡(めがたにすえきかま)あとのように、小粕窯跡を現地で見ることはできないのですか?
学H:小粕窯跡は埋納保存(まいのうほぞん)されており、現地へ行っても見ることは出来ません。
E子:埋納保存ということは、せっかく発見された遺構を土の中に埋め戻したということですか?
学H:その通りです。発掘調査で見つかった遺構をそのままにしておくと風化が進み、やがて崩壊して消滅してしまいます。神明ヶ谷須恵器窯跡のような保存方法もありますが、莫大な費用が掛かるため、多くの遺構では埋納保存を行っています。
それでは、窯跡について紹介していきます。一号窯は、地山を掘り抜いた地下式の窖窯(あながま)で、全長八・二m(水平距離)、床面の全長九mを測り、床は無階無段です。焚口(たきぐち)部上部に高さ約九〇cmの天井が一部残っていましたが、調査中に崩落してしまいました。窯の最大幅は一・五mを測り、大型化に対応するために床を拡幅し改修した痕跡がありました。煙道(えんどう)部に至る斜面には所々に柱穴があり、焚口部を中心に窯を風雨から保護する覆屋根があったと考えられます。出土した遺物は、平瓦と甕などの須恵器片です。
次回も続いて窯跡について紹介していきます。

[引用・参考文献]
織田町教育委員会『小粕窯跡発掘調査報告書』一九九四年
越前町教育委員会『越前町織田史(古代・中世編)』二〇〇六年

■展示を見て謎解きクイズラリーに挑戦しよう!
織田文化歴史館では、夏休みイベント「謎解きクイズラリー」を実施します。
参加する人は、入館受付でクイズシートをもらい、古墳や越前焼などの展示を見てクイズに挑戦してください。期間中、全問正解者(先着50人)には、素敵なプレゼントをご用意しています。
期間:8月10日(土)~25日(日)
参加費:無料
※歴史資料館の観覧料(100円)が必要です。

問合せ先:織田文化歴史館
【電話】36-2288

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