適切に管理されていない空き家が倒壊する事例が市内でもあり、地域の生活環境に悪影響を及ぼしています。自分が持っている空き家を放置せず、適切に管理しましょう。
■放置することでリスクが
市は、令和5年度に空き家と思われる住宅と敷地を調査する「空き家等実態調査」を実施しました。調査した結果、139戸で大規模な修繕や解体の必要があることが分かりました。
空き家の中には、「解体費用をかけたくない」「いつか使うかもしれない」などの理由で放置されているものも。そのままにしておくと、建物が老朽化し、外壁や屋根材などが落下したり倒壊したりする可能性があります。
空き家を適切に管理せず、人や周囲の建物に被害を及ぼした場合、所有者の責任になります。外壁落下による死亡事故が起こると賠償額は5千万円を超えるとの試算もあります。
■代執行で多額の費用請求
人や周囲の建物、生活環境などに悪影響を及ぼし、危険と判断されると、「特定空家」に認定されます。認定されると、市は所有者管理に関して「指導」します。それでも改善が見られない場合、「勧告」や「命令」も。「命令」に従わないと、50万円以下の過料が請求されるほか、所有者の代わりに市が強制的に建物を解体する「行政代執行」が行われます。
「行政代執行」の費用は所有者に請求されます。その費用は数百万円に上ることも。「放置しておけば市が勝手に対処してくれる」と考えるのは間違いです。
■早い段階から勧告対象に
空き家の適切な管理をさらに推進するため、令和5年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正されました。放置すれば「特定空家」になるおそれがある空き家を「管理不全空家」として市が指導や勧告。所有者への対応が強化されました。
■固定資産税が4倍
空き家の放置は、税制面でも不利になります。「特定空家」や「管理不全空家」として勧告されると、土地にかかる固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が受けられません。「住宅用地特例」が受けられなくなると、土地の固定資産税が最大で約4倍になります。
■早めに処分を検討
建物は使用しなければ急速に劣化します。放置すればするほど、危険度が増すだけでなく、処分が大変になります。解体や売却の検討など、対策を「今」始めましょう。
問い合わせ先:住宅政策課
【電話】0942-30-9139
【FAX】0942-30-9743
■専門家への相談も
空き家をどうしたら良いのか分からないときは、専門相談員による相談窓口も利用できます。相談は無料。
問い合わせ先:福岡県空き家活用サポートセンター
【電話】092-726-6210
【メール】iekatsu@fkjc.or.jp
◆空家発生
付属する工作物(倉庫など)や敷地も含む
↓
◆管理不全空家
管理が不十分で、「特定空家」になるおそれがある空き家
▽指導
▽勧告 「住宅用地特例」解除
↓
◆特定空家
倒壊の危険性が高いなど周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空き家
▽指導
▽勧告 「住宅用地特例」解除
▽命令
・所有者の氏名や住所を公表
・過料を請求
▽代執行 解体などの行政代執行が行われる
■解体や売却に関する支援があります
◆解体補助
老朽化して危険な木造の空き家を解体するための費用を一部補助します。
◆空き家バンク(跡地バンク)
老朽化して危険な空き家を解体した後の土地の情報を市に登録。ホームページなどで利用希望者に紹介します。
◆固定資産税の減免(6月15日から)
「管理不全空家」などを勧告前に解体し、跡地の売却に着手するなどした場合、「住宅用地特例」と同等の減免措置を最長3年間受けられます。令和10年12月31日までに解体したものが対象です。
問い合わせ先:住宅政策課
【電話】0942-30-9139
【FAX】0942-30-9743
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