子どもが家の手伝いをしたり、家族のお世話をしたりすることは、「ふつうのこと」と思うかもしれません。
しかし、学校生活に支障が出たり、心や体に気になる影響が出ていたりする場合は、注意が必要です。子どもが守られるべき「育つ権利」「教育を受ける権利」などが侵害されている可能性があります。
◆「ヤングケアラー」って?
本来大人が担うと想定されるような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。
*令和2年度に国が行った調査では、中学2年生で5・7%(約17人に1人)のヤングケアラーがいるという結果が出ています
◆「ヤングケアラー」のサイン
▽学校・保育所など
・欠席や遅刻が多い
・宿題や提出物の提出が遅れがち
・年齢のわりにしっかりし過ぎている
・幼いきょうだいの送迎をしている
▽地域
・学校のある時間帯に地域で見かける
・子どもだけで毎日のようにスーパーで買い物をしている
・通常大人が参加する自治会の集まりなどに子どもだけで参加している
▽高齢者・障がい者サービス事業所
・家族の介護をしているのを見かける
・家の家事をしているのを見かける
▽医療機関
・平日に家族の受診に付き添っている
・来院時に身なりが整っていない
・往診時、家族の介護をしているのを見かける
◆あの子は「ヤングケアラー」かもしれない。
▽どうしたら良い?
「ヤングケアラー」という理由だけで、その行為を否定することは、家族のために一生懸命手伝いをしている子どもやその家族を傷つけてしまいます。
まずは「学校はどう?」など、子どもが話しやすい内容からコミュニケーションをとり、子どもにとって安心できる関係を築いてから、少しずつ子どもの話に耳を傾けてみてください。
▽子どもが自分から相談するのは難しいことも
子どもが抱えるいろいろな気持ち
・自分の家族のことだから、自分たちでなんとかしないと…
・「きつい」と言ったら、家族が傷つくかも…
・自分の時間が欲しいけど、他の家族も頑張ってるのに、わがままかな…
・家庭を特別視されるのは嫌だな…
・自分がヤングケアラー?ずっとこうだったから、よくわからないよ
▽福岡県特設サイト「ヤングケアラーへのエール」「ヤングケアラーだったわたしたち」当事者へのインタビューが読めます。
▽伝えて、つなぐ
市役所のほか、民生委員・児童委員や学校など、地域にはいろいろな窓口があります。「ヤングケアラーかも?」と思ったときは、「他の家庭のことに踏み込むなんて・・・」と思わずに、自分の相談しやすい窓口に伝えてみてください。
情報は関係する機関に共有され、その家庭に必要な支援が検討されます。
「自分は一人じゃない」「誰かに頼ってもいいんだ」と思える、「子どもが子どもでいられるまち」を地域のみんなと一緒につくっていきましょう。
~11月は児童虐待防止推進月間です~
子どもが子どもでいられるまちに
問合せ:子育て支援課
【電話】942-1159
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