■合言葉は、ネイチャーポジティブ!! 知られざる千鳥ヶ池の真価。
◆絶滅危惧種の三種 千鳥ヶ池で新発見
県保健環境研究所の中島淳博士が、昨年6月、千鳥小の生き物観察で古賀市初となる希少な水生昆虫を発見しました。
特に「ヤギマルケシゲンゴロウ」は、県内では北九州市に次ぐ2例目の大発見です。生息地や個体数も少ない種のため、微妙な環境の変化による絶滅が懸念されています。そのため、今回の発見はとても重要で、現在改定作業中の県レッドデータブック※の基礎資料として扱われる予定です。
※【レッドデータブック(RDB)】
絶滅のおそれのある野生生物をリストアップし、その現状や減少要因を明らかにしたもの。
【ヤギマルケシゲンゴロウ】
近畿地方以西の本州から南西諸島にわたって広く分布するが、県内では希少。環境省レッドリスト準絶滅危惧、福岡県RDB絶滅危惧IA類。
【ムモンチビコツブゲンゴロウ】
植物の豊富な止水域に生息し、泥深い池沼を好む。環境省レッドリスト準絶滅危惧、福岡県RDB絶滅危惧IA類。
【オニギリマルケシゲンゴロウ】
複数の別種と混同されていたことが近年明らかになり、2022年に新種として記載・命名された。
◆生物多様性の危機高まる記録の重要性
昔は、わたしたちの身近にもいたゲンゴロウやタガメ。今や県内でも過去50年にわたり生息地が確認できていません。
しかし、その記録や標本が残っているおかげで、過去の自然環境を把握したり、今後の生物多様性の保全に結び付けることができます。身近な生き物を記録に残し保存していくことは、今後の環境を守る上でとても重要なことなのです。
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