-三原時計店-
代表 三原修(みはらおさむ)さん(冨多)
時代の変化に伴い全国的に少なくなっている地域の時計屋。
今回は、町で38年以上三原時計店を経営している三原さんにきっかけや大切にしていることなどのお話を聞きました。
■後を継いだわけ
時計が好きで手先が器用だった父が69年前に三原時計店を開業。幼いころから時計や眼鏡などに囲まれ父の働く姿を見て育った私は、将来は父の後を継ぐと決めていました。高校卒業までは地元であるこの町で過ごしました。当時は父が営む時計店のほかに時計などを扱うお店が町内に無かったことから、どんな修理でもできるようにして、自信を持ってお店に立ちたいという思いで関西にある専門学校へ進学。また学校と並行して時計や眼鏡などを取り扱うお店へ就職し、学校で基礎を学びながら、仕事では実務経験を積んでいきました。そして学校卒業後も関西に残り6年間修業し、27歳のころ町へ戻りました。
店へ戻ってからは時計の修理や眼鏡の加工・調整など、関西で修行した経験を活かしながら、細かい修理などは時計修理技能士の資格をもつ父から教わりました。そんな父も高齢に伴う体力的な面から店に立つことが減り、徐々に独り立ちし、父から後を継ぎました。
■やりがいや魅力
現在は父から継いだこの店で、時計や眼鏡、補聴器、宝石・宝飾を取り扱っています。時代の変化に伴い、全国的に地域にある時計屋の数は減少しており、町外の方が時計の修理やベルトの調整などに来店されることもあります。
人と話すことが大好きな自分にとって、小さい町の時計屋だからこそ、町内外や性別、年代を問わず色んな方に気軽に来ていただきたいと思っています。実際に地元の方が世間話をしに来てくれたりすることもよくあります。
接客の際は時間の許す限り、お客さんと会話をしながら、その人に合った商品を提案できるようにしています。特に眼鏡や補聴器の販売は、お客さんの日常生活に直結しており、その手助けとして携われることはとてもやりがいのあることだと感じています。そしてお客さんが実際に身に付けて生活している姿をみたときは、とても嬉しくこの仕事の魅力だと思います。
■地域とのつながりも大切に
町の時計屋として働くうえで地域とのつながりを大切にしています。商工会の副会長として町内のお店とつながったり、自分の体力づくりで始めたソフトバレーボールで地域の方とチームを立ち上げるなど、地域活動やスポーツを通したつながりを築いています。また、生まれ育ったこの町に少しでも貢献したく、スポーツ推進委員長や地域ケア推進委員をさせてもらっています。
地域や町の人とのつながりは自分の宝でもあり、仕事にもつながっています。
■最後に
大刀洗町は人の温かさや自然豊かなところが魅力的だと思います。これまで町の時計屋として働くことができたのも人の温かさのおかげです。
これからも体力の続く限りお店に立ちながら、町内の色んな場所に出向きたくさんの方と繋がっていきたいです。
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