6月は食べることを考える食育月間です。
食事のとき「よく噛んで食べましょう」と言われた経験はありませんか?
よく噛むことは食事をおいしく味わえるだけでなく健康づくりに大きな効果があります。いくつになっても噛む力を育みながら食事を楽しみましょう。
■乳幼児期
◇「カミカミ」は大人がお手本
生後5~6か月ごろから離乳食が始まり幼児期までに、口の中で食材をすりつぶすこと、噛むことを覚えます。
近年、パンやレトルト食品などのあまり噛まずに飲み込めるものが増えています。
噛む経験が不足すると、よく噛めない、丸飲み、口の中にため込む、偏食などの問題が発生します。
家族やまわりの大人がお手本となって一緒に「カミカミ」することが、噛んで食べることを覚えるのに一番効果的です。
乳歯の生え始めから意識的に子どもの口の動きを見て、どのくらい噛んで飲み込んでいるのか、確認しましょう。
■青年・成人期
◇早食い禁物!意識して噛む習慣を
生活環境に変化が表れる人が多い世代です。
なんでも食べられるようになると噛むことにも慣れ、癖がつきます。つい早食いしてしまう人は、将来の生活習慣病リスクが高まるため注意が必要です。
自然と噛む回数が増える献立を取り入れたり、調理にひと工夫してみましょう。
・食材を大きめにカットする
・噛み応えがある食材(ごぼう、れんこん、大豆、こんにゃく、ひじきなど)を選ぶ
・生野菜を取り入れる
食べる時は、食材の甘味やうま味を感じるまで噛むことがポイントです。
■高齢期
◇体調に合わせて食材を選ぼう
加齢に伴い噛む力、飲み込む力が低下し、虫歯や入れ歯の不具合から口のトラブルも発生しやすくなります。
さらに噛む効果が得られなくなると、健康にも影響を与えます。なんでも小さく切ったり、やわらかくなるまで調理するのではなく、その日の体調に合わせて、噛む力を引き出しましょう。
・食材の繊維を断ち切って歯切れをよくする
・パサつきの少ない魚を選ぶ
・肉はやわらかい部位を選ぶ
・トマトなどの皮は取り除くなど、必要な部分だけを食べやすくしてよく噛み、味わうようにしましょう。
■噛ミング30
厚生労働省では、一口30回以上噛んで食べることを目標とした「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています。
「30」の数字は、30回くらい噛んだらおいしくなるように少しかためにしよう、30回くらい噛めば食材の味をしっかり味わえるのではないか、と噛むことへ意識を向ける意味をもっています。
まずは飲み込む前にプラス5回、自分が好きな食事をじっくり味わうことから始めてみませんか?
口の健康はもちろん、全身の健康のためにもよく噛んで食べるよう心掛けましょう。
「ひみこのはがいーぜ」は、よく噛むことの効果を示す食育標語です。
■なぜ「ひみこ」なの?
弥生時代の卑弥呼(ひみこ)の食事は、玄米のおこわや乾燥した木の実、干物など、噛み応えのある食材で構成されていました。そのため、当時の噛む回数は一食で約4千回、現代の食事のおよそ6倍だったと言われています。
おそらく卑弥呼は、よい歯や歯ぐきをしていたという想定から「ひみこのはがいーぜ」という標語は作られました。
もっとよく噛まなければと思ってもらえるようにとの願いが込められています。
《ひみこのはがいーぜ》
○「ひ」肥満防止
よく噛んでゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され食べすぎを防止。ダイエットにも効果的。
○「み」味覚の発達
よく噛むと素材そのものの味がよくわかるようになる。味覚が発達すると薄味にも慣れやすい。
○「こ」言葉の発音はっきり
あごが発達し、歯が生えそろい、噛み合わせもよくなる。正しい口の開き方ができ、正しい発音になる。
○「の」脳の活性化
噛むことで脳に酸素や栄養素を運ぶ血液の流れが増え、記憶力、集中力、認知症予防になる。
○「は」虫歯・口臭予防
唾液が出ることで、虫歯の原因となる細菌の増殖を防ぐ。
○「が」がん予防
唾液に含まれる酵素が発がん性物質を弱める働きがある
○「い」胃腸の働き促進
噛むことで唾液が分泌し、食べ物が消化吸収しやすくなる。また、効率よく栄養素が消化吸収される。
○「ぜ」全力投球
噛むことで歯やあごが丈夫になり、食いしばることができる。食いしばると全身に力がみなぎりスポーツを思いっきり楽しむことができる。
問合せ:健康課 健康づくり係
【電話】0944-32-1280
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