■ワンヘルスって何?
ワンヘルス(One Health=ひとつの健康)とは、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」をひとつの健康と捉え、一体的に守っていくという考え方です。
私たちが健康的に暮らしていくためには、地球に暮らす動物、そして地球自身も健康である必要があります。
■ワンヘルス推進の基本方針
福岡県では、全国に先駆け、令和2年12月に「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定しました。これは、ワンヘルス実践の仕組みをつくることで、人と動物の命や健康、環境の健全性を一体のものとして守り、その活動を次の世代につなげるための基本方針を示したものです
■大木町ワンヘルス推進宣言
6月11日、町議会と共同で「大木町ワンヘルス推進宣言」を表明しました。議会との共同宣言は県内で初めてです。
○宣言の背景
町制施行30周年を記念し、昭和60年4月1日に制定された町民憲章。その一節に「水と緑の調和した自然に感謝し心豊かな町をつくりましょう」とあります。この言葉の背景にあるのは、古くから、循環に根差した堀との暮らしと農業を営んできた歴史です。
また、近年は、「未来につなぐ環境先進のまち」として、生ごみの分別収集をはじめとした「循環のまちづくり」を推進しています。
これらのことがワンヘルスの考え方と非常に親和性が高いことから、「大木町ワンヘルス推進宣言」の表明に至りました。
■企業もワンヘルス
ワンヘルスの考え方に基づいた活動を行うことを宣言した事業者などを登録する制度が「ワンヘルス宣言事業者登録制度」です。
登録の際に、
・ワンヘルスの理念に賛同する。
・ワンヘルスに関する活動に取り組む。
・ワンヘルスに関する活動の情報発信に努める。
の3点を宣言します。
町内では、6つの事業者が登録されています。
■身近なワンヘルス
福岡県では、ワンヘルスの実践が次世代の食と農につながることから、その理念に沿って生産される農林水産物などをワンヘルス認証商品として認証しています。
町では、いちご、アスパラガス、ぶなしめじ、えのきたけ、すぎたけ、木工家具が品目として認証されています。
認証ロゴマークのついた農林水産物を積極的に選ぶことは、ワンヘルスの推進につながります。
■「ワンヘルス」を進める6つの基本方針
▽人獣共通感染症対策
「人獣共通感染症」とは、動物から人へ、人から動物へうつる感染症です。新型コロナウイルスや鳥インフルエンザなど社会問題になった感染症がたくさんあります。
医療、獣医療をはじめ各分野と連携し、感染症の発生予防や、まん延防止に取り組みます。
▽薬剤耐性菌対策
「薬剤耐性菌」とは、細菌による感染症を治すための薬(抗菌薬)が効きにくい細菌のことです。
この薬剤耐性菌による感染症が発症した場合、これまで使用していた薬が効かなくなるなど、治療が難しくなります。
薬剤耐性菌の発生や拡大を防ぐ取り組みを行います。
▽環境保護
自然環境はさまざまな生き物が生きる場所です。良い環境を保全することで、人と動物の健康が維持できます。
生態系を守り、地球温暖化対策に取り組み、大気や水、土壌環境の保全を図ります。
▽人と動物の共生社会づくり
犬や猫などの動物(ペット)たちは、私たちの生活に潤いや安らぎを与えてくれる大切な存在です。
一方で、動物を虐待したり、捨てたりする悲しい出来事も起こっています。
動物愛護や適正な飼い方の普及啓発、野生生物との共存を図ります。
▽健康づくり
人の健康は、適度な運動習慣の定着や食生活の改善はもちろん、豊かな自然の中で、人と動物が心も体も健やかな状態で過ごすことも大切です。
自然や動物とのふれあいを通じた健康づくりを推進します。
▽環境と人と動物のより良い環境づくり
安全な農林水産物を食べるためには、それを育むための健全な環境の農地や水が必要です。また、健康を維持するためには、「食」に対する知識を持ち、食材を選ばなければいけません。
安全な農林水産物の生産を図るとともに、食育を推進します。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>