■大野城心のふるさと館のおすすめめ(3)
◇まじないの道具・人面墨書土器
奈良時代から平安時代、自然災害や飢饉、疫病などの社会不安からさまざまな祭祀(さいし)が執り行われました。祭祀では、人面墨書土器や人形、土馬などが災いを祓(はら)うために使われました。今回紹介するのは、人面墨書土器です。
人面墨書土器とは墨で人の顔を描いた土器のことです。奈良時代から平安時代初めにかけて見られ、最も多く出土するのは奈良時代の都である平城京です。そんな人面墨書土器が、市北部に位置する仲島遺跡から出土したことを知っていますか。
人面墨書土器を見てみると、怒っているような、なにか不服そうな、そんな顔をしています。ずっと見つめているとなんだかかわいい…。そんな気もしてきますが、実はこの人面は疫病神を表現したものだといわれています。土器の底には穴があけられ、病気になった人が息を吹き込み、川や溝に流したものと考えられています。病をもたらす疫病神から身を護るために使われた「まじないの道具」だったようで、当時の人々の心を知る貴重な資料です。
大野城心のふるさと館では、2階大野城タイムライン展示にて、人面墨書土器1点を展示しています。展示期間は3月5日(火)〜4月7日(日)までです。
ちなみに大野城心のふるさと館1階「ここふるショップ」では、「人面墨書土器風茶碗」を販売しています。このお茶碗でごはんを食べると毎日元気に過ごせるかもしれません。
問い合わせ先:心のふるさと館ミュージアム担当
【電話】558-5000
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