■より良い睡眠で体も心も健康に
日ごとに涼しく過ごしやすい秋の夜長は、睡眠スキルを上げるチャンスといわれています。皆さんは毎日心地よい睡眠がとれていますか。睡眠時間が5~6時間未満となることで、脳出血や心筋梗塞など脳・心臓血管系の疾患を引き起こし、過労死のリスクが高まることが分かっています。11月は過労死等防止啓発月間です。これを機に日々の睡眠習慣を見直してみましょう。
○睡眠の効果
睡眠には、記憶の整理の他、脳や体の疲れを取り、体の成長を促し、傷ついた細胞を修復する大事な役割があります。子どもの成長にはもちろん、勉学に励む学生、働き世代の社会人や、健康な心身を維持したい高齢世代にも、睡眠は生涯にわたって大きな役割を果たします。
○健康づくりのための睡眠目標
健康日本21(第二次)最終評価(2022)では、睡眠による休養を十分に取れていない人の割合が悪化していました。令和元年国民健康・栄養調査結果では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性37.5%、女性40.6%でした。これらの状況から、次期「健康日本21」(第三次)の主な数値目標として、
理想の睡眠:
(1)睡眠で休養が取れている
現在値(令和元年)78.3%→目標値…80%(令和14年度)
(2)睡眠時間6~9時間(60歳以上は6~8時間)
現在値(令和元年)54.5%→目標値…60%(令和14年度)
と示されています。健康維持・増進のためにより良い睡眠習慣を心がけてみましょう。
◆睡眠にまつわる豆知識(1)
○長く眠ればいいわけではない!?睡眠の質の大切さ
睡眠は長ければ良いわけではありません。質が悪いと生活習慣病にかかるリスクを高め、症状の悪化につながります。目覚めたときに十分休息が得られた感覚はありますか。質の良い睡眠をとるには、季節に応じて快適と感じるよう、寝るときの服装を気にかけ寝室の環境を確認しましょう。
控えた方が良いもの:就寝前の喫煙・飲酒・カフェイン入りのコーヒーや紅茶など。眠りが浅くなり、途中でトイレに起きる回数が増えるなど、睡眠の質を悪化させます。
◆睡眠にまつわる豆知識(2)
○昼寝にもポイントがある?午後のパフォーマンスを上げる昼寝
毎晩睡眠時間が十分確保できない場合、日中の眠気による仕事の効率低下を避けるために、昼寝をすることも効果的です。次のポイントをおさえましょう。
・午後の早い時間に→夕方以降の昼寝は夜の睡眠に影響します。
・長さは15分程度→長時間昼寝すると、起きた後もボーっとして業務効率が上がりにくくなります。短く済ませるために、机に顔を伏せるか椅子の背にもたれかかる姿勢で寝る、または昼寝前にコーヒーなどのカフェイン摂取がおすすめです。
出典:厚生労働省ホームページ第1回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会
福祉課 保健師
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