■冬のかくれ脱水に注意してください
「脱水」と聞くと夏のイメージがあると思います。冬は湿度が下がり乾燥するため、体から自然に水分が蒸発し、気づかぬうちに脱水傾向になります。マスクをつける機会も増え、喉の渇きを自覚しにくく、水分を摂取する機会も減ってしまいます。
体が脱水傾向になると、頭痛や集中力の低下、日中の強い眠気や食欲不振、倦怠感、筋肉痛、足がつるなどの症状が現れます。どの症状も少し体調が悪い程度の感覚なので、原因が分からないまま不調が続くことがあります。このような時は水分不足を疑い、すぐに対策しましょう。脱水状態が続くと、血栓ができやすくなり脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも高まり危険です。
○脱水の予防方法
・喉が渇く前に水分をこまめに飲みましょう。就寝前、起床時、運動・入浴・飲酒の前後に、水やカフェインを含まないお茶を飲むのがおすすめです。アルコールやカフェインを含む緑茶、紅茶、珈琲などは尿量を増やし、体内の水分を排泄するため、水分補給には適していません。
・エアコンのきいた環境では、部屋に濡れタオルをかけるなど、湿度を調整しましょう。
・栄養バランスの整った食事を規則正しく摂り、体力を保持しましょう。1日3食の食事から約1Lの水分を摂取していると言われています。
・体を動かして食欲増進につなげましょう。筋力が衰えると体に蓄えられる水分量も減ってしまいます。
冬のかくれ脱水に注意して元気な毎日を過ごしましょう。
○かくれ脱水を見逃さないチェックポイント
次の症状はありませんか。
・のどが渇く
・体重が短期間で減っている
・尿の色が濃くなっている
・風邪など病気ではないのに37度前後の微熱がある
65歳以上の人は、次の症状があるとき、かくれ脱水の可能性があるので注意が必要です。
・皮膚が乾燥しツヤがない。皮膚がぽろぽろ落ちる
・口の中が粘つく。唾が少なく、唾が飲み込めないことがある
・便秘になった、または以前よりひどくなっている
・皮膚のハリがなく、手の甲をつまみ上げて離した後、跡が3秒以上残る
・足のすねがむくみ、靴下のゴムの跡が10秒以上残る
出典 高齢者に存在する「脱水症」の前段階“かくれ脱水”を定義する―400名を対象とした感度分析の結果から“かくれ脱水発見チェックシート”の提案―
谷口英喜ほかGeriat.Med.2014年5月号(vol.52no.5)
福祉課 保健師
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