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国際交流・韓国

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福岡県太宰府市

■韓国にはなぜキムさんが多い?
太宰府市国際交流員 金 辛泫(キム シンヒョン)

数多くの苗字がある日本とは違って、韓国人はほとんどが同じ苗字を持っているように思えます。実際に韓国の苗字は全部で約250種類、キム・イ・パク・チェ・ジョン、この5つの苗字が全体の55%を占め、特にキムはおよそ21%で韓国人の5人に1人がキムさんということになります。なんとこのコラムの作成者もキムという事実!それではなぜ韓国にこんなにキムさんが多いでしょう。その理由には2つの説があります。
1つ目は身分制の影響です。昔、苗字を持てるのは貴族である「ヤンバン」だけでした。朝鮮時代の貴族名簿を見ると、先ほど紹介した現代の韓国で全体の55%を占める5つの苗字が多く見られ、中でもキムが最も多くありました。当時、苗字がなかった奴婢(ぬひ)である「ノビ」が、のちに偉い貴族の苗字を使ったため、特定の苗字が多いという説です。
2つ目は安定した韓国の歴史によるものです。韓国は一つ一つの王朝の統治期間が長いのが特徴です。統一新羅が約1千年、高麗時代が約500年、最後に朝鮮時代が約500年続きました。王朝が交代する過程でも、前王朝の王族が吸収された場合が多く、その苗字が残ることができました。そして、内戦や侵略があった歴史も少なく、安定した平和な歴史によって特定の苗字が大きく減ることなく続き、その数が増えたという説です。
今回は韓国にはなぜキムさんが多いのかをお話ししましたが、いかがでしたか。次回はキムさんシリーズの一環で「同じキムに見えても実は違う!」というテーマでお話ししたいと思います。
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