◆キムジャン文化
太宰府市国際交流員
金辛泫(キムシンヒョン)
キムジャンとは、晩秋や初冬にかけて、冬の間に食べる大量のキムチを漬ける韓国の家庭にとって一大行事です。春に塩辛を漬けるところから始まり、初秋には唐辛子やニンニクの準備、野菜の収穫など、準備だけでも半年以上かかります。一家のキムジャンのために、大量の白菜を洗って大根を千切りし、味を整えるだけでも2~3日かかるので、親戚や地域の人と互いに助け合いながら行う風習がありました。この文化はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
しかし、最近ではこのあり方が変わってきました。核家族化や献立の欧米化、外食の普遍化などにより、家庭で消費するキムチの量は減りました。また、都市化により地域住民の交流が減ったことや、保存技術の発達により1年中、市販のキムチも多く出回るようになったことも背景にあります。
わが家では、毎年11月に家族みんなでキムジャンをしています。漬け方は、地域で材料や方法が異なり、郷土色がよく見えます。祖母の家は、海が近い韓国の南部ウルジンに位置しているため、塩辛をたっぷり使い、濃い味付けをするのが特徴です。
※「キムジャン」「ウルジン」のハングル表記は本紙P.25をご確認ください。
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