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自治体の皆さまへ

手と手をつないで No.383

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福岡県太宰府市

太宰府市教育委員会 社会教育課 教務係

■2023年を振り返って
昨年は、世界大戦の反省を受けて設立された国際連合が「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と掲げた世界人権宣言が出されて75年の節目の年でした。しかしながら、一昨年に始まったロシアによるウクライナへの武力侵攻はとどまることがありません。また、昨年10月にはパレスチナのガザ地区を支配していたハマスによるイスラエルへの攻撃により、パレスチナ・イスラエル戦争が勃発しました。
これまでは国際連合を中心に国際的な調和が働き、せめぎあいが何度も起こっていても、安定していました。しかし、今回の2つの戦争は多くの民間人を巻き込み長期化しています。
国内では、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、少しずつ社会経済活動が以前のように戻りつつある一方で、コロナ禍の3年間で経済格差や社会的な孤独・孤立が顕著になってきています。経済立て直しのために、さまざまな給付制度が行われてきましたが、戦争や異常気象による資源不足などに伴う物価高により、格差は広がりつつあります。
また、子どもたちは自分の居場所を求めて、「トー横(東京の新宿のTOHOシネマズ横)」や「グリ下(大阪のグリコサインの下)」、「警固界隈(福岡の警固公園周辺)」などの場所に仲間を求めて集いながら、リストカットやオーバードーズといった自らを否定する行動をしていることが社会問題にもなっています。
こうした状況の中、社会的に弱い状況にいる子どもたちに対して横断的かつ継続的に行政施策が取り組めるよう、国はこども家庭庁を設置しました。あわせて、こども施策を社会全体で総合的・包括的に推進していくため、昨年4月にこども基本法が施行されました。

○こども基本法の6つの大切な考え方
(1)すべてのこどもは大切にされ、基本的人権が守られ、差別されないこと。
(2)すべてのこどもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育を受けられること。
(3)年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、社会のさまざまな活動に参加できること。
(4)すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
(5)子育ては家庭を基本としながら、そのサポートが十分に行われ、家庭で育つのが難しいこどもも、家庭と同様の環境が確保されること。
(6)家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。

このような法的な制度を知ることはもちろんのこと、自然災害や事故など非常時に厳しい立場に追いやられてしまう、子どもや女性、障がい者、高齢者、外国籍の人などの社会的弱者の存在に気づくことが大切です。常に問題などについて「他人事」ではなく「自分事」として考え、寄り添う気持ちを持ち、行動することが「人権」のまちづくりにつながることになるでしょう。

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