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きゅうはく通信(169)

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福岡県太宰府市

■文化財の修理のひみつ

諸行無常。形あるものはいつか壊れます。これは貴重な文化財の場合も同様です。通常の生活道具であれば、壊れると新しいものに買い換えられることも多いと思いますが、文化財の場合は修理され、大切に伝えられてきました。
たとえば、掛軸、巻子(かんす)、屏風、襖(ふすま)などの形態に装丁された絵画や書跡の場合には、装丁時に、薄くて弱い本紙(絹や和紙の上に描・書かれた文化財そのもの)を保護するため、小麦デンプンを炊いて作った糊を用いて裏面から和紙(裏打紙)を貼って補強されています。この糊は50~100年経つと少しずつ接着力が弱くなり、裏打紙が浮いて本紙に亀裂や剥落が生じてくることから、その度に裏打紙を取り替える修理が行われてきました。現代でも同様の方法により修理が行われています。
九州国立博物館には館内に文化財保存修復施設が設置されており、絵画、書跡、木造彫刻、漆工、陶磁、考古などの様々な文化財を対象とし、伝統技術に先端技術を取り入れた修理が行われています。施設の一部は、収蔵庫や免震層などと共にバックヤードツアーとして一般に公開されています。

九州国立博物館 博物館科学課

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