〜これからのまちを思って〜
■その二 誰もがつながれる場所を
赤星 映子(あかほし えいこ)
「みんなが安心安全で、幸せに過ごせるまちづくりをしたいですね」。
そう話すのは、元小学校教師の赤星さん。退職後に、NPO法人育ちと学びの応援団を設立。現在、不登校の子どもへの支援や子どもの学び場の開催、外国人への支援を中心に活動しています。
その二では、赤星さんのまちづくりへの思いに迫ります。
◇子どもが安心できる場所を
教員時代に、学校に行きたくても行けない子や、クラスに入れない子たちと、ずっと関わっていました。頑張って家の外には出られても、安心して過ごせる場所がないなと思っていたんです。それがきっかけで、退職後は子どもたちが安心して過ごせる場所をつくりたいと思うようになりました。
退職後に県立大学に通い、不登校・ひきこもりの支援や福祉について学びました。知人に不登校支援していますよと声をかけていると、少しずつ相談されるようになったんです。
でも、個人ではできることが限られているので、NPO法人を立ち上げました。それからは、市教育委員会が実施しているアフタースクールの運営に関わるようになり、学校とのつながりもできました。
でも、子どもたちに深く関わることはできなくて。子どもとより関わるためには、公的な立場であることが必要だと思い、教育委員会に相談して、昨年度から学習相談員として動けるようになりました。各学校に相談員として活動していることを伝え、学校や子どもの相談を受けたり、福丸地区にある事務所で子どもたちに勉強を教えたりしています。
夏休みには、小学生を集めて、宿題を教えたり、工作をしたりして、最後にお弁当を渡しています。今年度は、延べ百人以上が参加してくれました。また、中学生に対しては、定期考査前に元教員のスタッフを集めて勉強を教えています。この活動が、子どもたちの安心できる居場所の一つになればと思っています。
◇外国人が学べる場所を
現在、たくさんの外国人が宮若市で生活しています。でも、多くの人は日本語が分からないことで、仕事や生活の中で困ることが出てきます。
他の地域には日本語教室があるのに宮若市にはなくて、どうにかして支援したかったんです。そんな時、知人を通して同じ思いをもっている仲間と出会い、日本語教室を始めることにしました。道を歩いている外国人に、日本語教室に来ませんかと声をかけたこともありますね。あとは、市内の企業に生徒の募集や、日本語教室を開催しにも行きました。
教室は、月に二回開催していますが、会場の中央公民館学習室には、入りきれないくらい多くの外国人やボランティアが来てくれることもあります。それくらい日本語を学びたい人は多いんだなと感じますね。それと同時に、外国人と地域の交流、コミュニケーションは大切だと感じているので、語学だけでなく、交流もできる場所にしたいと思っています。
11月には、初めての試みとして、市内の小学生と国際交流会を開催しました。一緒にレクリエーションをしたり、おにぎらずを作ったり。参加した人は、次も参加したい、またやってほしいと言ってくれて、開催して良かったなと思いましたね。
◇誰もがつながれる場所を
実は、子ども食堂も開催したいと考えていて、市内全域の子どもに向けて実施するには、どうしたらいいのか検討しています。食べるだけでなく、勉強したり遊んだりできるような子ども食堂にしたいんです。それに、子どもだけでなく保護者や外国人も参加できて、誰もがつながれる場にしたいですね。
子どもの支援も大切ですけど、保護者への支援も必要だなと思っています。地域とつながっている保護者には、必要な支援を届けやすいんですが、孤立している保護者にはなかなか届きません。そのせいで、さらに厳しい状況に追い込まれてしまうんです。
活動を通して、子ども、大人、国籍関係なく、自分らしく生きることができて、宮若市に住んで良かったって思ってほしいです。だからこそ、誰もがつながれる場所を地域の拠点にできるように、これからも活動を続けていきたいと思っています。何か困った時は、いつでも相談してくださいね。
■Topic2 みやわか日本語教室
市には、外国人が七百人以上(10月末時点)在住していて、そのほとんどが技能実習生です。ベトナムやインドネシアなどさまざまな国や地域から来日していて、言語や文化が異なる人々が身近で生活しています。日本語教室では、そんな外国人を対象に、日本語指導や生活の困りごと支援などを行っています。
現在、日本語を教えてくれる支援ボランティアを募集しています。興味がある人はぜひお問い合わせください。
問い合わせ:育ちと学びの応援団(赤星)
【電話】090・7813・4727
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