文字サイズ
自治体の皆さまへ

湯ったり宮若旅(1)

1/35

福岡県宮若市

年末年始、みなさんはどのように過ごしましたか。今年は、新型コロナウイルスが5類に移行して初めての年末年始。久しぶりに帰省したという人も多いのではないでしょうか。
今月号は、まだまだ寒い日が続くこの時期にぴったりの『温泉』について特集します。宮若在住の人も、帰省中の人も、これを読んで、みんなで宮若の温泉でゆっくり癒やされませんか。

■脇田温泉
犬鳴峠のふもとの静かな山あい、犬鳴川沿いに広がる脇田温泉。奈良時代に開湯したとされる歴史ある温泉地です。
硫黄特有の鼻をつく匂いはほとんどなく、入浴後は肌がツルツル、スベスベになるため、「美肌の湯」として知られています。

◇いつの時代もお客様に支えられ
「私が子どもの頃は、炭坑で働く人たちが、宮田や小竹からよく来ていましたね。当時は、居酒屋や遊技場なんかも近くにあって、近隣に住むたくさんの人たちが脇田温泉に来てくれていたんですよ」。
昭和30年代・40年代の脇田温泉について話すのは、楠水閣代表取締役社長の安永徹さん。当時、脇田温泉には七軒の宿があり、地元の人の憩いの場になっていたんだそう。炭坑の閉山や新型コロナウイルスなど、大きな困難を乗り越えた今、何を思うのか。
「コロナの時は、かなりつらかったですね。コロナが流行し始めた頃は、一年間のうち四カ月ほど休業せざるを得ませんでした。楠水閣がオープンしてから六十五年がたちますが、こんなに長期間休業したのは初めてでした。いつ終わるか目途(めど)が付かない中で、ただ耐えることしかできなくて。正直怖かったです。それでも、常連の方たちが、『大変だけど頑張ってね』『また来るからね』と、声をかけていただき頑張ることができました。
うちは、新規の人よりもリピーターが多いんです。ひと月に二、三回宿泊する方や、海外からのリピーターもいます。また来ていただけるのは、居心地がいいと感じてもらえたということ。だから、またお会いできたときは、いつも以上に嬉しいですね。
ここは、川を挟んで建物が建っています。だから、行き来には川の上にかかる渡り廊下を通る造りになっていて、川を庭に見立てているんです。今は、この造りの許可が一級河川では下りません。そんな珍しさも、うちの強みの一つかなと思います。夏は、川に水遊びに行くご家族もよく見かけますよ」。

◇今こそ変化のチャンス
長きにわたり営業を続けている楠水閣。歴史を守ることはもちろん大切ですが、時代に合わせて変化することも必要だと安永さんは言います。
「平成29年に、『RVパーク』という快適に車中泊ができる場所をオープンしました。コロナ禍で、キャンピングカーの需要が高まったこともあり、多くの方に利用いただいています。
最近は、円安の影響もあって、外国人のお客さんが増えていて、宿泊者の四分の一くらいが海外からお越し頂いています。今は、スマホなどがあるので、海外の方ともやり取りできるようになりました。今後も増加すると思うので、海外の方も安心して過ごせる場になればいいなと思っています。
脇田温泉は、昔と比べて温泉宿の数がかなり減ってしまいました。でも、コロナ後から、国は観光事業に力を入れていて、さらに、宮若市には宮若温泉郷もできました。この状況を生かして、観光業界が一体となって宮若市の観光を盛り上げて行くことが大切だと思っています。毎月、市や観光協会、温泉郷と集まって情報交換を行っています。他の温泉宿は、もちろんライバルではあるんですけど、競合するのではなく、みんなで宮若に人を呼び込めるようになるのが理想ですね」。

■温泉のあとは…ちょこっと散策
川沿いの温泉街ならではの、さわやかな空気と静かな趣きの中を、のんびりとお散歩するのがおすすめ。川のせせらぎや、ほたるに紅葉など四季折々の景色を楽しむことができます。きっとあなたの心と体を癒やして、和ませてくれるはずです。

◇俳句の道
約2キロにわたって延びる散歩道。かたわらには、宮若全国俳句大会の入選作品を記した句碑が並びます。これは市内の杉を使って手作りされていて、句は毎年入れ替えられています。

◇楽水之径
座主瀬橋から脇田橋に設けられた片道560mの自然石を利用した遊歩道。特に夏は、親子連れで水遊びを楽しむ姿をよく見かけるなど、夕涼みにぴったりの場所です。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU