2009年7月に九州北部を襲った豪雨から15年が過ぎようとしています。
「天災は忘れた頃にやってくる」
これは、科学者で文筆家でもある寺田寅彦さんが残した有名な警句ですが、近年、忘れる間もなく災害が起きています。
災害が多い日本で暮らす私たちにとって、防災は、日頃から考えなければならないものです。
もし、明日災害が起きたら…あなたはどんな行動をしますか。
■防災は日頃の訓練が大切です
後藤 昭廣さん
Goto Akihiro
宮若市防災士協議会会長
直方・鞍手広域消防本部退職後、市の防災専門官として7年勤務。現在は、市防災士協議会会長。現在70歳。
◇防災士協議会設立
防災士は災害時、防災リーダーとして、リーダーシップの発揮が期待される存在です。東日本大震災においても、的確なリーダーシップを発揮した人が存在した地区では、被害を免れたという事例が数多くあります。
現在、市内には防災士の資格を持った人が37人います。しかし、資格を持っていても「何をすべきか分からない」、そんな人が多いんです。
それを解消しようと、昨年、消防OBなど、専門の知識・技能を備えた人を中心に、防災士協議会を設立しました。会員同士のつながりを構築し、いつ起きるか分からない災害に対応できるよう、防災士としての活動と知識、技術向上の支援を行っています。
◇いつ起きるか分からない災害に対応するために
災害対策としてまずやってほしいのは、身の回りの安全対策です。例えば、家具の固定や備蓄品の用意など。風水害に対しては、排水溝や側溝の清掃、雨戸の確認など、事前に備えることで被害を軽減できることが、多くあります。「自分の身は自分で守る(自助)」ことを、第一にしてほしいですね。
安全対策の結果、自宅が被災を免れると、周囲の被災者の安全確保や、二次災害への迅速な対応などを行う余裕ができますよね。「自分たちのまちは自分たちで守る(共助)」、こうした近隣住民同士の助け合いの場で、防災士が一定のリーダーシップを発揮できることが、地域にとって大きな力となります。
◇防災意識を高めるには
防災意識を高めるには、まず、災害の種類や、その対策についての知識を身につけることが大切です。防災に関する本を読んだり、防災アプリをダウンロードするのがいい例ですね。また、普段から家族と災害時の連絡方法や、避難場所を話し合ったり、非常食を実際に使い、定期的に買い足したりするのもおすすめです。
それから、地域の防災活動に参加するのも効果的です。地域特有のリスクや、災害時に役立つスキルを、実践的に身につけることができます。近所の人たちとの連携が深まるので、いざというとき、助け合える関係になり地域の防災力向上にもつながります。
こうした取組を日頃から行うことで、防災意識は自然と高まります。防災意識を持つことは、命を守るための第一歩です。日々の小さな積み重ねが、大きな災害に対する備えとなります。いつ起きるか分からない災害から、自分自身や大切な人を守るため、今からできることを始めましょう。
私たち防災士協議会も、防災講演会の開催や防災訓練、災害ボランティアセンター運営の支援など積極的に取り組み、皆さんの防災意識の向上に貢献したいですね。
■TOPIC1 防災士協議会会員の募集
協議会では、市民参加の防災活動に積極的に協力したり、行政や関係機関と連携したりしながら、地域の防災意識の向上や防災リーダーの育成などを目的に活動しています。
防災に興味がある人や、地域の安全に貢献したい人などであれば、防災士の資格がなくても加入することができます。
この機会に、皆さんも宮若市防災士協議会に加入しませんか。詳細はお問い合わせください。
問い合わせ:市防災士協議会
【電話】090・8660・4828(後藤)
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