■竹灯籠作り賛同者のみなさん
竹灯籠作りの賛同の輪が広がった、令和6年度の清水寺竹灯籠。
今回、制作・準備に携わったみなさんをご紹介します。
◇里山ようちえん 山っこ
今年開園した『里山ようちえん 山っこ』。自然豊かな乙野の地で、子どもたちはのびのびと過ごし、わくわくドキドキする心や自然に適応する体力を身につけています。
制作日は、登場人物がかえるというユニークな絵本『かえるの竹取物語』の読み聞かせからスタート。竹に興味をもったところで作業を開始し、子どもたちは電気ドリルで竹に穴を開ける大変な作業もひるむことなく、大人と一緒に全ての工程に挑戦しました。「振動で手がブルブルする」と言いながらも、できあがった竹灯籠が実際に光る様子を見て子どもたちは、大喜び。他にも紙製の三角灯籠の絵付けを行い、当日清水寺の境内に飾られます。
◇宮若西小学校
市に昔から伝わるもの、未来につないでいくものを学ぶ『今昔物語』と、思いをもった人と出会う『キャリア教育』の一環として、6学年の3クラス86人が取り組みます。松田さんが黒丸むらおこしの会のこと、竹灯籠制作への思いについて話すと、子どもたちからは作り方のコツや、活動でうれしかったことは何かなど、質問が絶えませんでした。
竹灯籠は班ごとにデザインを自由に考えて作成。どんなデザインにするかみんなで悩みながら話し合い、竹灯籠に刻みたいものをチョークで下書きをして、順番に電気ドリルで穴を開けていきました。
授業の振り返りでは萩尾百香さんが、「黒丸への思いを、きれいな写真といっしょに話してくれてありがとうございます。ふるさとを大切にしていきたいと思います」と、お礼の言葉を話しました。
◇宮若西中学校
美術部の生徒12人が制作に取り組んでいます。9月にはテンプレートの模様を活用して6本の竹灯籠を作成し、10月12日に開催された文化祭で展示しました。普段は各部員が自由に作品作りをしていますが、今回は力を合わせて実施。11月にはみんなで考えたオリジナルデザインの竹灯籠作りに再度挑戦します。
部長の山本陽菜乃さんは、「竹灯籠は見たことあるし、作るのは楽しそうだなと思っていました。だけど、いざ始めてみると結構大変で、穴を開ける時に力を使いましたね。こうして出来上がると、自分が作ったとは思えないくらいきれいで達成感を感じました。作品を実際に清水寺で見るのが楽しみです」と、話しました。
◇鞍手竜徳高校
市内唯一の高校である鞍手竜徳高校。市や市内事業者・団体とさまざまな取り組みを積極的に行っています。今回は、2学年全体で制作に取り組んでいて、清水寺での展示のほか、11月16日に開催する竜徳祭でも展示します。
取材当日は、学年でアイデアを出しあって決定したデザインを紙におこし、竹に貼り付ける作業を行いました。8本の竹を使って同校のキャラクター『りゅうとくん』を刻みます。宮若東中学校出身の村山翔太さんは、「清水寺のことは知っていたけど、竹灯籠のイベントのことは知りませんでした。これからみんなで協力して作成して、竜徳祭と清水寺で展示することになるので、できあがった作品をたくさんの人に見てもらえたらうれしいです」と、話しました。
◇西山有志会
旧若宮西小学校校区の保護者有志で構成している、西山有志会。黒丸地区も含まれるこの校区の魅力発信と、子どもたちに楽しい体験をさせてあげたいとの思いで、毎年イベントを開催しています。10月26日には文化財収蔵・展示・交流センター「宮若トレッジ」でミニコンサートと星空観測会を行い、竹灯籠もコンサートの演出として展示しました。
11月から宮若トレッジで行われる竹灯籠作成に参加します。会長の長濱裕一さんは「お互いに協力して、旧若宮西小学校区域全体をさらに盛り上げていきたいです」と、話しました。
◇トヨタ自動車九州株式会社
令和3年度の開催から、トヨタ自動車九州の協力を得て、竹灯籠の光源はろうそくの明かりからLED電球に変わりました。電気の給電元は、水素エネルギー源で走る燃料電池車MIRAIです。環境との調和のため、水素利活用の取組をすすめている同社。この取組のテーマは『歴史ある清水寺とこれからのミライ(MIRAI/未来)をつなぐ』です。
この協力によって、竹灯籠点灯作業の軽減や長期間の開催が可能になり、さらに、火を使わないため安全性も増しました。トヨタ自動車九州環境プラント部の大原勇二さんは、「持続可能な社会の実現に向けて、今後も地域の皆さまと共に活動してまいります」と、話しました。今年もMIRAIが、境内を優しい明かりで照らします。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>