文字サイズ
自治体の皆さまへ

手話は『言語』~小竹町手話言語条例~(1)

2/22

福岡県小竹町

■小竹町手話言語条例とは
『手話は言語である』ことの認識に基づき、手話に対する理解を広め、すべての町民等が地域で支え合うことで、障がいのある人もない人も共に尊重し合う共生社会の実現を目指して、令和5年4月1日に制定された条例です。

小竹町手話言語条例の制定から1年が経過し、小竹町聴覚障害者の会の瀬戸憲治さん、小竹手話の会『若竹会』の堀悦雄さんの2人と町長が対談を行いました。

◆条例制定後の変化は
町長:小竹町手話言語条例を制定する前と後で、変化はありましたか。

瀬戸さん:今年の手話奉仕員養成事業は、10人以上の参加者がいました。条例制定のおかげで興味関心がでてきているのかなと思いました。町民のみなさんの反応をあまり実感できていませんが、これから変化してくると思っています。今後は手話言語の啓発次第で変化してくると思っています。

堀さん:瀬戸さんと同様に条例制定後、手話に興味をもつ人が増えてきたことをうれしく思います。また講演会等で手話通訳者として参加する機会が増えました。

町長:私もまだ町民のみなさんから手話言語条例について聞かれることがないので、もう少し手話の普及や啓発に努力していかなければいけないと思っています。ろう者だけではなく、さまざまな障がいを持った人たちに目を向けるひとつの機会に手話言語条例がなればいいと思っています。

◆手話の理解について
町長:手話の理解について、それぞれの立場で思っていることや期待することがあれば教えてください。

瀬戸さん:私は『手話は言語である』ことを知ってほしい。手話とは、ろう者にとって日常生活の言語です。手話がないとろう者は話すことができないことを町民のみなさんに知ってもらい、理解してもらいたい。そして、町民のみなさんが何ができるのかを考えてほしいと思っています。

堀さん:私が知っている町内のろう者は2人。とても少ない。

町長:手話をもっと楽しみながら知っていただきたいことと、私たちは知ってもらう工夫をしていかなければいけないと考えています。

堀さん:以前、年1回程度小竹北小学校で手話の授業を行ったことがあります。今後も依頼があれば積極的に行っていきたいと考えています。

町長:授業に取り入れることで、自然に子どもたちも手話が身についてくると思います。子どもたちに手話を知ってもらうと、子どもたちが保護者へ学んだことを伝えることで、ご家庭でも関心をもってもらえると思います。

瀬戸さん:複数の学年を対象として授業を行いたい。実現したら子どもたちの視野がさらに広がっていくと思います。

◆手話の普及について
堀さん:手話の会としては、手話講習会と例会の活動を行っているが、参加者が増えていない。私は、今後手話に関わる人を増やしていくのを目標としているけれど、とても難しいです。

瀬戸さん:ろう者の声があって、スーパーの従業員や病院の職員など専門分野に分けた手話講座を行いたい。なぜならば、病院に有名な先生がいたとしても手話通訳ができない病院だったら受診したくても受診できないということがあるからです。

町長:私も手話奉仕員養成事業に参加していますが、手話を学んでも頻繁に使わなければ忘れてしまうので、講習会等に参加していきたいと思っています。

◆今後、町に要望すること
瀬戸さん:近年全国的に災害の発生が増えてきているが、ろう者等への情報発信がされていないように感じています。聴覚障がい者はみんな身体は健康なので、情報が入らなくて戸惑い、判断ができないという人が多いです。消防本部は、聴覚障がい等の登録をしている人を対象に、毎月1回FAXやメールで通信手段が途絶えていないかの確認等が行われています。消防本部のように、町でもこのような取り組みを行っていただき、避難計画や避難所の利用方法等を周知していただきたい。

堀さん:聴覚障がい者だけではなく、高齢者も多い町なので、災害時の情報収集手段をわかっている人はわかっているけれど、わかっていない人もいるので再度周知してほしい。また、役場の中に手話通訳ができる人を育ててほしいなと思います。

町長:瀬戸さんと堀さんのお話を聞いて、災害時の情報発信に関して、再度周知方法を考え直さなければいけないと考えさせられました。ろう者の人も役場に来庁しやすくなるように、担当所管課と協議したいと思います。町職員に手話の面白さを広めていき、手話にふれる機会を作っていきたいです。

問合せ:福祉課一般福祉係
【電話】62-1219

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU