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ふるさと再発見 広川町郷土史研究会

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福岡県広川町

■広川町にある巨樹・珍樹 その5
一條八幡宮の境内には、ラカンマキの老木があり、町内における同類樹の中では屈指の古木です。樹幹の内部は朽ちて空洞になっているため、樹齢は明らかではありませんが、40年以上前、当時すでに90歳を超えていた長老の話によると、「自分が子どものころにも、全然変わらない姿だった」とのことでしたので、約250年は経っているのではないかと推定しています。
樹高 7・0メートル
幹周 1・95メートル
を測ります。
この木のことをジョンジョンガックンの木と呼んでいる人もいました。肥大紅熟した花托(かたく)(花柄の頂端にあって、花が着生する部分)は、食べることができるし美味です。ジョンジョンガックンとは方言で肩車のことで、実の着き方からそのような別称が生まれたことは、間違いないでしょう。
マキにはラカンマキのほかにイヌマキがあって、『牧野日本植物図鑑』ではその見分け方として、ラカンマキは「葉短カク密生」することを特徴として挙げています。
当該木の樹齢を推定するには、神社創建や再建にヒントがありそうです。
一條八幡宮は、旧久留米藩関係の記録や、宮座記録などによって、享保元年(1716年)・寛政7年(1795年)などに社殿の再建があったことがわかっています。推測ですが、その間に植栽された可能性が考えられます。
先に紹介した長老の話もさることながら、子どものころから毎日のように眺め親しんできた人も多いでしょう。
その年々に、実の着き方に多い少ないの違いはあっても、樹姿そのものには、まったくといってよいほどに変化を感じません。
鎮守社をしっかりと守護するように、老木とはいえども威風堂々と立ち続ける姿は、畏敬の念さえも覚えさせてくれる、まさに銘木といってよいのではないでしょうか。

■広川町古墳資料館だより
巳年(へびどし)をむかえました。土器にはイノシシやヘビなどの動物をモチーフにしたものも多く、考古学の世界では有名ですが、動物は装飾を越えた意味をもっています。
自然と共生していた縄文人は、脱皮を繰り返すヘビの生態に再生する生命力を実感し、恐れや祈りの対象として土器に表現したのかもしれません。そのほかの動物装飾の土器も意味を調べてみると新しい見方ができるかもしれません。

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