~性の多様性・部落差別・障がい者の人権~
■住みよい社会をめざして
人権問題は私たちの生活の身近なところに存在し、それが原因で苦しんでいる人がたくさんいます。依然として残る部落差別や人種差別、性的差別などのほか、インターネットによる人権侵害や職場でのハラスメントなど、近年特有の人権問題も存在します。このような問題を解決していくためには、一人ひとりが人権に関する知識を深め、正しい人権感覚を身につけていかなければなりません。
広川町では、人権が尊重される住みよい町をめざし、人権を考える「ひろかわ」セミナ―を開催しています。今回は、11月7日(火)・11月13日(月)・11月24日(金)に開催された「ひろかわ」セミナーの概要と参加者の感想をご紹介します。
■[第1回]性の多様性
「LGBTQをもっと身近に」
OVER THE RAINBOW
荒牧明楽さん
LGBTQの人口は11人に1人の割合で存在することをご存じでしょうか。価値観が多様化する現代は「見えにくい違いに対する想像力が試される時代」でもあります。想像力を鍛えるためには、相手の意見に耳を傾け、相手目線で考える「受容的な姿勢」を持つことが大切です。
「LGBTQについて、もしカミングアウトされたら」というテーマでディスカッションが行われ、さまざまな意見が飛び交いました。
性的マイノリティに対して理解・支援する募集人員:「アライ(Ally)」が増えることで、誰もが生きやすい社会を実現できるようになります。
[参加者の声]
・無意識の「思い込み」や「偏見」に気付くことができました。
■[第2回]部落差別
「人権課題を識(し)る」
久留米市人権啓発センター
古賀晃さん
「識る」とは、深く理解し、知識を自分のものにすることです。ものごとを見極めるためにも必要な行動であり、社会が抱える人権課題も「識る」ことで本質が見えてきます。
講義は「誰しもがマイクロアグレッション(無自覚の差別行為)の当事者になり得る」という話から、「子どもへの関わり方」や「正しく学ぶことの大切さ」など、自身の教育実践を交えながら話が進みました。
発言や行動をする前に、相手がどのように受け取るかを考えることが大切です。
[参加者の声]
・無自覚のうちに、自分も誰かの加害者になりえる危険性があることを学びました。
・「識る」ことを大切にしていきたいと思いました。
■[第3回]障がい者の人権
「障がいのある方の権利の擁護」
いけだ社会福祉士事務所
池田将樹さん
障がいのある人の権利擁護の考え方として「地域社会のなかで充実した生活を送る権利」や「可能な限り当たり前の暮らしを営む権利」、「知る権利」、「自己決定・自己選択の権利」を理解することが重要です。権利の大切さについて、具体的な事例をもとに講義が進みました。
障がいのある人は「守ってあげるだけの存在」ではなく、共に社会を構成する「権利の主体者」です。共生社会を実現するためにも、このような意識変革の必要性があります。
[参加者の声]
・障がいのある人との「関わり方」についての理解を深めるため参加しましたが、障がいの有無に関係なく、人と関わるうえで大切なことを学びました。
問合せ:生涯学習課人権・同和教育係
【電話】0943-32-0093
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