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町民インタビュー

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福岡県志免町

大歓声が沸き起こった石投げ相撲
志免町の伝統文化を次世代へ

志免農区の区長
野中光春さん

去る9月3日、志免町の岩崎神社で石投げ相撲大会が開催され、熱戦が繰り広げられました。コロナ禍を経て4年ぶりの開催とあって、会場は熱気に包まれ大盛り上がり。今月は、この石投げ相撲大会を主催する志免農区の区長・野中光春さんと区長代理・吉村信義さんにお話を伺いました。
「石投げ相撲の起源は、江戸時代末期までさかのぼります。志免村で牛馬が次々に倒れる疫病が流行り、なすすべのない村人は悪疫退散を祈るほかありませんでした。そこで万年願をかけて祈ったところ、たちまち悪疫が治まったそう。その感謝の意を込めて、三十三試合の相撲を奉納したことが始まりなんですよ」と野中さん。明治時代には相撲熱が高まり、観客が石を投げ合うほど白熱していたため、いつしか石投げ相撲と呼ばれるようになったのだとか。歳月を重ねるうちに礼を重んずる本来の姿になり、石を投げないスタイルに戻ったと言います。
石投げ相撲大会は、この三十三番奉納相撲がメイン。「昔は青年相撲でしたが、50年ほど前から小学生が相撲を奉納するようになりました。『礼に始まり、礼に終わる』という言葉があるように、子どもたちは稽古を通して礼儀作法からまわしの締め方や基本姿勢まで学び、土俵に上がるんですよ」と吉村さん。だからこそ、本番はみんな真剣勝負。勝ったら大喜びし、負けたら泣く子も。今年は4年ぶりの開催で初出場の子どもも多い中、力いっぱい相撲を取る小さな力士たちに観客からもたくさんの声援と拍手が送られていました。
また、健やかな成長を願い大きな力士が赤ちゃんを抱いて四股を踏む赤ちゃんの土俵入りも見どころ。大声で泣く子や平然としている子など、今年は26人の赤ちゃんが土俵入りしました。大会の最後は、青年力士らによる一般三役相撲。力強い立ち合いもぶつかり合う音も観客を引き付けるほど圧巻の迫力でした。「コロナ禍で中止になっていたのは残念ですが、久しぶりの大会は見応えがあり、改めて魅力を感じました。少子高齢化で子どもたちが集まらない、指導者が高齢化しているなど問題もありますが、町に根付く伝統文化を継承していきたいと思っています」と野中さん。「石投げ相撲大会は、後世に伝えていきたい他にはない宝物。相撲を通して子どもたちも大きく成長し、地元愛を深めてほしい」と語ってくれました。

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