■特定健診の結果をお知らせ(令和4年度分)
◇特定健診の概要
対象:40~74歳の朝倉市国民健康保険加入者
目的:生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の発症と重症化の予防
費用:1000円
※前年度受診者は翌年度の健診費用が無料
◇令和4年度分特定健診の結果のポイント
(1)受診率は37.9%(約3人に1人が受診)
令和3年度の受診率と比較すると、1.9ポイント増加。
(2)令和2年度から継続で受診した人は76.2%
(3)基準値を超えている人の割合(グラフ参照)
動脈硬化の危険因子
・HbA1c受診者の約7割
・収縮期血圧受診者の約5割
・LDLコレステロール受診者の約5割
この結果は、市の健康課題のひとつであると考えられます。これらの項目は、脳血管疾患・心筋梗塞などの命に関わる生活習慣病を引き起こす原因となりえます。
◇健診結果を受け取った後は
特定健診を受診した人で対象となる人に対し、健診結果をさらに見やすい様式で示して、自分の体の状態を知っていただくよう取り組んでいます。保健師や管理栄養士が食事や運動などその人の生活に合った改善方法を一緒に考えます。
生活習慣病の重症化予防のため、対象者を絞って、食後の血糖値やインスリンの変動を診る検査、心臓や脳動脈でどの程度動脈硬化が進んでいるかを診る頸動脈エコー検査・微量アルブミン尿検査を案内しています。
自身の健康管理のため毎年の健診受診をおすすめします。「令和6年度住民健診のご案内」を3月中旬に郵送する予定です。内容を確認して、早めに予約してください。
■ドクターの話「元気に老いる」
日本は世界一の長寿国といわれますが、これは高齢者が多いということでもあります。年をとるごとに体力は低下しますが、維持~回復させることは不可能ではありません。体力は体の中に酸素を取り込める能力で決まり、これには肺や心臓・血液および筋肉が関係します。加齢とともに筋肉が失われ、特に下肢の筋肉量の低下が大きく転倒の原因にもなりますが、効果的な運動と正しい食生活で回復させることが可能です。
運動はウォーキングやスロージョギングなどの、普通に会話しながらできる強さの有酸素運動が有効です。心肺機能や筋肉で酸素を有効に使う力の向上が期待でき、1回30分以上週3回以上を目標にします。筋肉量の回復には筋トレの併用が必要で、下肢への筋トレとしては1回3~4秒かけて行う、ゆっくりとしたスクワットが有効です。不安な場合は椅子の背を掴んでも構いません。慣れてきたらペットボトルなどを持って行ってください。筋肉の回復のために2~3日間隔を空けた方が効果的です。
中高年の栄養指導では食事制限が中心になりますが、高齢者では積極的な栄養摂取が鍵です。特に肉や魚介・大豆製品・卵・乳製品などの良質なタンパク質を毎食しっかり摂りましょう。
「まだお迎えがこん」とか「早くあの世に行きたい」と言う声も耳にしますが、あの世が良い所かどうかわかりません。尊敬する故林与吉郎先生の言葉ですが、人生は気魄(きはく)です。死ぬまで現役を目指して、人生はたくましく堂々と先太りで行きましょう。「昔むかし、あるところにお爺さんとお婆さんが…」で始まる昔話の桃太郎。いつか「昔むかし、いたるところでお爺さんやお婆さんが元気に暮らしていました」となりますように。
朝倉診療所長 大坪正明
問合せ:朝倉診療所
【電話】52-1131
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