■更年期症状~周囲に悩んでいる人はいませんか?~
ある調査によると、働く女性3000万人のうち、36歳から55歳までの女性の約半数以上が何らかの更年期症状を抱え、40〜50代女性の約9・4%が更年期症状を理由に退職を経験しています。「仕事を辞めた」「降格した」など「更年期ロス」を経験した人にその理由を聞いたところ、勤務先や上司に指示・命令された人が一定数いる一方、最も多かったのは「仕事を続ける自信がなくなった」、次いで「職場に迷惑がかかると思った」など“自分のせい”と考えている人が多数います。女性では「育児や介護と仕事の両立が難しかった」という人もいました。
「更年期ロス」とは、ほてり、のぼせなどの症状が出るホットフラッシュ、うつ傾向、物忘れ、情緒不安定などの更年期症状によって、仕事に何らかのマイナスの影響があった状態を意味します。海外で実施された調査では、ワークモチベーションの低下、生産性の低下、人間関係の悪化、職位の降格、離職意向の高まりなども報告されています。
降格や人事評価の低下、退職勧奨など労働面での問題に加えて、「症状への業務上の配慮がなかった」「偏見を感じた」「からかわれたり軽くあしらわれたりした」「嫌がらせやハラスメントを受けた」という人も少なくありませんでした。
更年期症状による収入低下や治療費用の捻出によって家計への影響が深刻であることもわかっています。更年期症状が原因で仕事を辞めた経験がある人、いわゆる「更年期離職」の数は、女性で約46万人、男性で約11万人に上るとみられています。ある調査では、離職によって収入が減ったことによる経済損失は、女性で年間約4200億円、男性で年間約2100億円と、あわせて6300億円に上ると推計されています。
職場で働く女性が増え勤続年数も長くなる中、更年期症状について、職場の課題として取り組んでほしいという要望が多く出ています。企業が相談体制の整備や医療機関の受診を促すなど、離職を食い止めるためにサポートしていくことが重要です。
問合せ:市人権・同和対策課
【電話】52-1174
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