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「過去と対話し、現在を見つめ、より良い未来を構築する」 それが歴史を学ぶ意義

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福岡県朝倉市

秋月博物館の館長に就任し、2年目になります。秋月博物館の役割は、史料の調査・研究をもとに、既存の歴史認識を付加、修正、深化させること。博物館では古文書を解読し、日々研究を重ねています。
秋月藩主は12代続きましたが、キーマンとなるのは3人だと考えます。まずは、初代藩主の黒田長興。約250年続いた秋月藩の礎を築いた人物といえます。次に8代の長舒です。葛や川茸などの商品作物を奨励したり、人材育成のために藩校・稽古館を整備したりしたことは素晴らしいです。「稽古観文武公令」から生まれた「稽古館の教え」は、学ぶことの意味や礼儀、思いやりの心など15カ条にまとめたもので、現在も秋月中学校で、その教えが継承されています。最後に10代の長元です。長舒の思いを引き継ぎ、文武を奨励したほか、長興を顕彰し垂裕神社を建立するなど、過去を大切しながら、未来へつないでいった人物といえます。前述した3人以外にも、最近の研究で新たに分かってきたことも。実は2代~4代藩主が残した功績も素晴らしいものがあります。今年の10月に、その研究成果を披露する特別展を予定していますので、ぜひ博物館に来てほしいと思います。
歴史を学ぶ意義は「過去と対話し、現在を見つめ、より良い未来を構築する」ことです。朝倉には皆さんに知ってほしい歴史がたくさんあります。歴史深い朝倉の過去を知ることで、自分たちが住んでいる地域に対して誇りを持てるようになります。その誇りが、より良い朝倉の未来を創っていくのだと私は考えています。

■秋月博物館館長
佐々木隆良(たかよし)さん
プロフィル:秋月・十文字・甘木中学校などの校長を歴任し、令和5年4月に秋月博物館の館長に就任。趣味は古文書の解読と登山。

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