■11月8日は、いい歯の日です。
いつまでもおいしく食事をとるためには、毎日のお手入れで健康な歯を保つことが重要です。生涯、自分の歯で楽しんで食べられるように、8020達成(80歳で自分の歯を20本保つこと)を目指しましょう。
また、唾液に含まれる歯周病菌が誤って気管支や肺に入ると気管支炎や誤嚥(ごえん)性肺炎の原因にもなります。
歯周病の予防や早期治療は全身の健康のためにとても大切です。
◇歯を失う原因の1位は歯周病
公益財団法人8020推進財団の2018年の調査によると、歯を失う原因の第1位は歯周病(37.1%)で、第2位が虫歯(29.2%)になります。
歯周病とは、歯と歯ぐきの隙間から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こした状態(歯肉炎)と、歯を支える骨を溶かしてグラグラにさせてしまう状態(歯周炎)を合わせたものをいいます。
◇歯周病と全身とのかかわり
口の中の血管や神経などは、全身へとつながっています。そのため、歯周病を患うと、歯周病菌やその菌が産生する毒素、炎症性物質などが歯ぐきの毛細血管を通して、全身に運ばれ悪影響を及ぼします。特に、心血管疾患や糖尿病を発症・重症化させたり、低出生体重児出産などのリスクが高まったりすることが分かっています。
◇歯やお口の健康のために専門機関の活用を
歯周病の予防には、毎日の歯みがきがや定期的な歯石除去が有効です。しかし、うまく歯を磨けていない場合もあるため、定期的に歯科医院などで歯科医師や歯科衛生士にお口の健康を診てもらいましょう。
なお、高齢や身体の衰えなどにより歯科医院に受診することが難しい場合は、朝倉歯科医師会口腔管理推進室にご相談ください。歯科衛生士の訪問による問診とお口の中の状態の診査(無料)、必要に応じて訪問歯科診療(有料)の紹介を受けることができます。
まずはお電話にてご相談ください。
問合せ:朝倉歯科医師会口腔管理推進室
【電話】21-7771
月~金曜日9時30分~16時30分※祝休日を除く
■ドクターの話
腸内フローラを整えよう
食欲の秋。旬の食べ物をよく噛んで飲み込むと、胃や十二指腸で消化分解され小腸で栄養素を吸収。残りかすは大腸で水分が吸収され便になります。人の腸には約1000種類・100兆個の細菌がすむといわれ、消化物を発酵して便にすると同時にさまざまな物質を生み出し、人の健康に影響を与えます。細菌は種類ごとに集団を形成して腸粘膜を覆うようにへばりついており、腸内フローラ(お花畑)と呼ばれます。
腸内細菌は大きく善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分けられ、生存競争を繰り広げつつ一定のバランスを保っています。腸内フローラの乱れは下痢や便秘をはじめ、炎症性腸疾患や大腸がん、糖尿病・肥満・動硬化、アレルギー疾患、うつ病や認知症など多くの疾患の発症に影響します。
望ましい腸内フローラは、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が優位で一定のバランスがとれた状態。加齢とともに悪玉菌が増えて善玉菌が減りますが、食事でも変化します。善玉菌を増やすには、善玉菌を摂取することと今いる善玉菌にエサを与えて増やすこと。
善玉菌を多く含むのは、ヨーグルトや納豆・チーズ・甘酒・みそなどの発酵食品ですが、菌の多くは腸内に定着することはなく習慣的に摂取し続けることがカギ。善玉菌のエサは、オートミール・納豆・海藻などに多い水溶性食物繊維、ゴボウ・玉ネギ・大豆(製品)などに多いオリゴ糖などです。ただ健康にいいからといって「ばっかり食べ」はダメ。多品目の食品を摂取して多様性に富んだ善玉菌を育てましょう。悪玉菌は高脂肪・高タンパク食を好むので食べ過ぎに注意が必要です。
三度の食事と適度な運動や十分な睡眠で、お腹にきれいなお花畑を育ててみませんか?
朝倉診療所次長大坪正明
問合せ:朝倉診療所
【電話】52-1131
問合せ:市健康課
【電話】22-8571
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