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自治体の皆さまへ

特集 今 水道を考える(2) ~老朽化した水道設備とその更新~ 1

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福岡県添田町

■暮らしを守る 水をつなぐ 次の世代へ
町では、老朽化した施設や水道管が多数点在しています。建設から66年が経過している添田浄水場は、耐震化が図られていない建物や設備が多く、災害に対する備えが不十分です。また、老朽化した水道管は破損するリスクが高く、凍結による水道管破裂を起因とする漏水や、耐震性に乏しいため地震による激しい揺れに耐えられず起こる漏水の発生が予測されます。現在町では、皆さんが将来にわたり安心・安全な水が使えるよう、町内に点在している老朽化した施設や水道管を、様々な災害に耐えうる施設・設備へ更新するための計画を策定中です。今月は老朽化した水道施設とその更新についてお伝えします。

○浄水場の現状と更新計画
添田町には上水道1か所、簡易水道4か所、計5か所の水道施設があり、昭和32年に供用開始された添田浄水場が最も古い施設となっています。添田浄水場でのきれいな水を作るための施設のうち、浄水場管理棟やポンプ室、緩速(かんそく)ろ過池などが建築当時のままで現在の耐震基準を満たしていません。また、機械設備も建物と同様に古いため、修繕部品の手配が難しくなっており、このままの状況が続くと機械の安定稼働が困難になります。
更新計画は、定期的な点検整備による延命化に努めながら、給水人口の減少が見込まれる今後の水需要を考慮して、ろ過設備などをダウンサイジングし再構築を行うのか、現在の施設・設備の耐震化を図る改修を行うのか、将来的な維持管理費などを比較してどの方法がより経済的であるか、安定した水を作ることができるかなどを熟慮し策定します。
また4つの簡易水道施設のうち落合浄水場、上中元寺浄水場は平成25年、26年にそれぞれ建屋、ろ過設備などの更新が完了しています。しかし、昭和48年供用開始の下中元寺浄水場、昭和56年供用開始の英彦山浄水場は添田浄水場と同じく設備などが現在の耐震基準を満たしていないことから、延命化を図った上で統廃合なども視野に含めた更新計画を策定します。

○水道管の現状
添田町内に設置している水道管は約130キロメートルあり、添田町役場と、その景色が世界新三大夜景に認定された長崎市の稲佐山公園までを直線で結んだ距離と同じです。
そのような膨大な長さの水道管の多くは、供用開始時から更新を行っていないため耐用年数40年を超え、管の老朽化が進み、次々と更新時期を迎えています。
現在の水道管を全く更新をしなかった場合の老朽化の状態は、上水道では令和12年には60.9%、簡易水道では81.1%の管が法定耐用年数を超え、その後も引き続き老朽化が進んでいくこととなります。古くなった水道管が増えると漏水事故が増加し、断水などで皆さんの生活に多大な影響を及ぼす可能性が高まります。

また、水道管の耐震化は、全国平均27.4%(厚生労働省「水道事業における耐震化の状況(令和3年度)」より)に対して、添田町は15.6%です。耐震化率の向上も早急に行わなければなりませんが、水道管は道路の下など地中に埋設しているものが多く更新には多額の費用がかかることから、現状では道路工事などの実施にあわせ更新工事を行うことが多く、便宜的な区間を優先している状況も、耐震化が進んでいない要因の一つです。
このような状況から現在も水道管の更新を計画的に行っていますが、今後の更新事業には今まで以上に多額の費用が必要となります。

○安定して水を届けるため
子の世代、孫の世代、その先も将来にわたって安心・安全な水道水の継続的な安定供給を行うため、水道料金の改定が必要不可欠となっています。今後、皆さんのご理解を得たうえで、水道料金の改定を行う予定です。
次回は、水道会計の現状と水道事業経営見通しについてお伝えします。

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