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特集 今 水道を考える(3) ~水道会計の現状と今後の水道料金~

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福岡県添田町

■暮らしを守る 水をつなぐ 次の世代へ
トイレやシャワー、洗濯機に食洗器。水回りの設備や家電など節水型機器の普及と節水意識の高まりに併せて、近年の人口減少に伴う給水人口の減少から、平均給水量と水道料金収入は減り続け、水道会計は令和元年度より単年度収支が赤字となりました。委託事業費、動力費などの経費を見直し、削減を行ってきましたが、昨今の資機材や光熱費の高騰などの影響から現在の水道料金体系では黒字への転換は望めません。皆さんに安心・安全な水を継続して届けるため、今後は浄水場の再構築費用などを見据えた料金体系への見直しを行う予定です。今月は水道会計の現状と今後の水道料金についてお伝えします。

◆給水人口と平均給水量の推移
本町の給水人口は10年前の平成25年4月の9377人に対し、令和5年4月には7842人となっています。人口減少や空き家の増加などを背景に今後も減り続けると推測されます。令和元年度から令和10年度では約1600人、約18%の減少が予測されています。

また、年間総給水量を年日数で割った1日の平均給水量は、平成25年度実績では2972立方メートル、令和4年度実績では2678立方メートルと、皆さんの節水意識の高まりなどもあり増減を繰り返しながらも減少傾向にあります。令和5年度以降も節水型機器の普及や給水人口の減少などにより減っていくことが予測され、給水人口と同じように令和元年度から令和10年度で約15%の減少が予測されています。

◆水道料金収入の今後の見込み
給水人口、平均給水量が減少すると、比例するように水道料金収入は落ち込んでいきます。水道料金収入は水道事業の収入の大部分を占める財源で、水道料金収入の減少は、水道事業会計の悪化に直結するため、水道料金収入の維持は非常に大きな課題です。
このまま水道料金を改定しないと仮定したときの水道料金収入は令和10年度で1億1992万7千円と見込まれ、令和元年度と比較すると約16%の減少が見込まれます。

◆水道事業の収支と資金残高の推移
添田町水道事業の収支はここ数年、支出が収入を上回り赤字経営となっています。収入については水道料金の徴収率は96.7%(令和4年度)となっています。令和5年度も悪質滞納者への給水停止措置9件などを実施し徴収率の向上に努めており、今後は法的措置の実施など滞納に対する取り組みを強化しますが、収入は給水人口の減少に伴い今後も減少する見込みです。
支出については委託料や動力費など様々な経費の見直しを進めてきましたが、きれいな水を作るための工程は変更できないために、大幅な削減には至っていません。今後は浄水場などの施設の更新や耐震化などの改修に今まで以上に経費が必要となります。更新は国庫補助金などを活用し財源を確保したうえで、水需要に応じた統廃合やダウンサイジングなど効率的に水を作る施設の構築を進めます。しかし、収支改善の見込みは望めず、予測では令和10年度には運転資金がマイナスとなります。

○水道事業の収支と運転資金残高

◆水道料金の改定
水道事業は、水道使用者が支払う水道料金で経費を賄う「独立採算制」の経営です。
収支改善のために様々な努力を行っていますが、給水人口の減少に伴う収入の減、古くなった施設の維持管理やその改修費用に多額の経費が必要となることから、将来においても大変厳しい経営状況が見込まれるため、水道料金の改定が必要な状態です。
令和6年1月を目標に町内各地区の水道使用者の代表や有識者で構成した検討委員会を設置する予定です。そこでは老朽化した施設や水道管の効率的な更新を行うための企業債の借り入れなどの財源確保の方策や、安定した水道水の供給を維持するための料金体系の見直し、今後の水道事業の在り方について協議を進めていきます。水道料金の改定は令和7年度中を目標に検討を進めます。
子の世代、孫の世代に安心・安全で美味しい水を残すための必要な改定です。町民皆さんのご理解とご協力をお願いします。

■水道料金改定のプロセス
安心・安全でおいしい添田町の水道水を未来へ残すための水道料金改定。皆さんに納得いただける改定を行うため、実際の改定までには様々な手順を踏む必要があります。

○水道料金改定検討委員会の設置
町内各地区の水道使用者の代表や水道に関する学識経験者などで検討委員会を組織します。検討委員会では水道事業財政・経営分析、財政シミュレーション、水道料金改定シミュレーションなど様々な検討を行い、水道事業・料金のあり方についてを町長(水道事業管理者)へ答申します。

○条例改正
町長(水道事業管理者)は検討委員会より提出された答申を基に水道料金の改定案を作成します。その後、町議会への説明を経た後、条例改正案を議会へ上程します。

○国土交通省へ届出
町議会での条例改正案可決後、国土交通省へ料金改定を届け出ます。

○水道料金改定
国土交通省からの料金改定許可後、広報紙やホームページなどで料金改定についてを周知後に料金改定となります。

問合せ:役場水道課
【電話】82-5961

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