■令和6年度全国学力・学習状況調査結果
令和6年度全国学力・学習状況調査が4月に小学6年生・中学3年生を対象に実施されました。今年度は国語・算数/国語・数学の「教科に関する調査」と、学習意欲・学習方法・学習環境などに関する「質問調査」が行われ、7月末にその結果が発表されました。今回の教育のひろばではその結果の概要と、これからの取り組みを考えます。
◆教科に関する調査の結果概要
小学6年生は国語と算数が実施されました。添田町は国語では全国・県平均から4〜5ポイント低い結果となりましたが、算数では全国・県平均とほとんど同程度でした。
国語は「読むこと」「書くこと」といった領域別で見るといずれも全国平均を下回りましたが、算数では逆にほとんどの領域別で全国・県平均を上回っています。しかし、「データの活用」という領域だけが5〜6ポイント下回りました。
中学3年生は国語・数学ともに全国・県平均を大きく下回りました。
教科の領域別に見ると国語では「言語文化」「読む」「書く」、数学では「データの活用」「数と式」などいずれも大きく下回っています。
小・中学校に共通して見られる傾向としては、国語では「情報の扱い方」「「言語文化」「書くこと」、算数・数学では「データの活用」などに課題が見られます。
▽令和6年度 全国学力調査(抽出)
~福岡県、全国の平均正答率(%)~
◆質問調査の結果概要
今年度の小・中学生質問調査の結果からは厳しい状況がうかがえます。
・「毎日朝食を食べている」が、小学生は昨年度よりやや改善はしているものの、「食べている」「どちらかといえば食べている」とを合わせても全国・県平均を下回っています。特に、朝食を「毎日食べない」「あまり食べない」中学生は2割以上おり、「毎日食べる」生徒の割合は過去最低水準でした。
・「将来の夢や目標を持っている」「自分には良いところがあると思う」では、小学生・中学生ともに全国・県平均を下回っていますが、「持っている・思う」「どちらかといえば持っている・思う」を合わせるとほぼ全国・県平均と同レベルです。
・「友人関係に満足している」「休みの日は家で1時間以上勉強している」では、全国・県平均と比べて中学校の下回り方がとても大きい状況です。
・その他では「地域や社会をよくするために何をするべきか」「学校に行くのは楽しいと思う」などは全国・県平均を上回る傾向がありますが、「早寝・早起きの習慣化」、「スマホ等の利用時間の制限」などは全体的に悪く、特に中学生では家庭で勉強する・しないが大きく二極化しています。
▽令和6年度 児童・生徒質問調査(抽出)
~添田町および福岡県、全国の平均回答率(%)~
◆調査の結果をうけてこれからの取り組み
学力については年度ごとのばらつきはありますが、小学校ではここ数年で全国や県の平均を超えるところまで向上してきました。それに対して中学校は全国・県平均をかなり下回っていますが、この数年の経年変化を見ると徐々に改善の傾向が見られます。
来年4月から小学校が統合するとともに、中学校と一体型の校舎が完成します。学力・学習状況調査の結果から得られた課題を小中で共有するとともに、小・中学生が1つの校舎で学ぶというメリットを最大限に活用して小中学校教員の相互乗り入れや教科担任制の導入、複数教員による授業などを取り入れながら課題解決を図っていきます。
▽授業改善の取り組み
小・中学生が主体的に学びを深めていけるよう、教師から一方的に話をするという授業から分からないことは分からないと言える授業、困ったときなどにつぶやく言葉を見逃さずに取り上げていく授業、グループで学び合い意見交換しながら進める授業などを通して「思考力・判断力・表現力」を高めます。また、今年で7回目を迎える小・中学校の教員が一堂に会して授業交流や研修を行う事業も推進します。
▽「ふるさとそえだプロジェクト」の取り組み
変化の激しい社会の中で、自分を動機づけて高めようとしたり、自分の感情をコントロールしたりしながら、自分と他者を大切にできる非認知能力(やる気、忍耐力、協調性、自制心など)の育成が求められています。
これまで添田小学校をモデル校とした長期宿泊学習や各校での様々な体験学習を通して、この非認知能力の育成に取り組んできました。これらの学習を充実・発展させるとともに、今まで以上に小中の連携を深めながら自尊感情や自己有用感、粘り強く挑戦する力、協働する力、意欲、目標を持って学習に向かう向上心を高める取り組みを行います。
これまでと同様に「生活習慣の見直し(早寝・早起き・朝ごはん)」「スマホ等の利用時間や使い方の管理」「家庭学習の定着」「家族の一員としての役割」などについては、家庭でのご協力が重要となります。
◆保護者へのお願い
子どもたちは「わかりたい、できるようになりたい」という思いから意欲的に学習に取り組もうとしています。子どもの力を伸ばしていくために、家庭では次のことに注意をお願いします。
・毎日の寝る時間や起きる時間などの生活のリズムを整えて朝食を食べて登校させてください。朝食をしっかり食べると授業での集中力が高まります。
・子どもたちの取組んでいることや努力していることに前向きな言葉をかけたり誉めたりしてください。毎日の生活で自尊感情や、自己有用感を高めましょう。
・地域や社会のために何か役立ちたいと思う子どもたちが全国より高くなっています。10月に各地域で行われるごみゼロの活動に親子で参加してみませんか。
活動を共にすることで家族や地域の人との関係が深まり地域への愛着が増します。
問合せ:教育委員会学校教育課
【電話】82-5963
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