春には桜が咲きほこる添田公園、夏には満天の星空の下、彦山川・中元寺川・今川にホタルが舞い、秋には英彦山の各所に広がる紅葉、冬には白雪がおりなす幻想的な風景など四季折々の美しい自然が残る添田町。これらの自然に抱かれた田園と町なみに人々の暮らしが息づき、英彦山の山岳信仰に由来する歴史や文化などが積み重なって、「添田町らしい」良好な景観が残されています。この誇れる景観を、町民だけでなく、添田町を訪れる人たちにも『ふるさとの姿』として感じてもらえるよう守り育てていき、次世代に誇れる財産として引き継いでいくことを目指し、景観法に基づく「添田町景観計画」を策定しました。
景観計画の策定により、令和6年10月31日以降に大規模な建築物などの建設や大規模開発を行う際には法に基づく届出が必要となります。(詳細は本紙4〜5ページ)
■景観計画とは
景観計画は、景観法に基づいて景観行政団体(良好な景観形成のために計画の策定や変更、行為の規制などの業務を担う行政のこと)が策定するもので、良好な景観の保全や形成を図るために必要となる方針などを定めた計画です。
添田町は、令和4年2月に景観行政団体へ移行しています。
■景観計画の必要性
近年、時代の流れにより生活様式や形態が大きく変化し、近隣でも大規模開発などによって景観が阻害される事案が発生して問題となっています。それらを防ぐためには、規制や誘導が有効ですが、その規制・誘導が皆さんの生活を著しく制限・制約するものとなってはいけません。実情に応じた基準(ルール)による景観づくりを実践するために、添田町景観計画を策定し、条例を制定しました。
■景観計画が目指す 基本理念と基本方針
基本理念:悠久の魅力を「みんなでつなぐ」景観づくり
町に住んでいる皆さん、事業者の皆さん、そして行政がそれぞれの立場で「景観」を意識して行動し、基本理念が実現できるよう、3つの基本方針を定めました。
基本方針1:一人ひとり主役となって みんなで景観づくりに取り組む
町に関わるすべての人が、一人ひとり主役となって、みんなで力を合わせ「景観まちづくり」を実践するなかで地域コミュニティ形成、町への愛着や誇りをより高めることなどを目指します。
基本方針2:自然と歴史を礎に人々の暮らしが息づく景観を守り育てる
先人たちが積み重ねてきたものを大切にし、自然や田園風景と人々の生活が調和した景観まちづくりを進めます。また、地域の特性や持続的な発展を考慮しつつ、人々の心を豊かにする景観の創出、神幸祭をはじめとする多様な文化および文化的景観の保全・継承などに努めます。
基本方針3:「添田町らしい」景観を 誇れる財産として未来へ繋ぐ
先人の創意工夫で積み重ねられた本町特有の景観に、新たな価値や魅力を付け加え、誇れる財産として次の世代へと受け継いでいくために、世代を超えた景観づくりの担い手育成などに取り組みます。
■町内全域が景観計画の対象区域に
広く町全域にわたって分布している景観資源の保全・活用や創出・育成を総合的かつ一体的に取り組む必要があることから、景観計画区域は町全域とします。
■添田町の景観特性
添田町の景観構造は、その成り立ちによって「自然の景観」、「歴史・文化の景観」、「暮らし・まちの景観」の3つで構成されます。この景観構造はそれぞれ町の良好な景観を創り出す基盤となる「景観の骨格」、固有の歴史や文化、風土などが積み重なり形成された「景観の積層」、現代の人々の暮らしや文化からつくられる「景観の表情」として捉えることができます。これらを把握したうえで町のエリアを5つに分けて分析し、添田町らしさを代表する景観との関係性を踏まえながら、エリア別の景観形成方針を設定しました。
■エリア別の景観形成方針
○中元寺川沿い田園エリア
のどかな田園風景と緑豊かな環境を守りながら、社寺とその周辺がもたらす文化的な景観づくりに取り組みます。
○彦山川沿い田園エリア
英彦山へ至る直近の地域にふさわしい色どりを有する添田町の「もう1つの顔」として、連なる山々と麓に広がる田園風景や彦山川の水辺空間を活かした景観づくりに取り組みます。
○英彦山・深倉エリア
「英彦山」として培われた固有の歴史・文化、豊かな自然を活かし、風格と趣のある景観づくりに取り組みます。
○添田まちエリア
地域の歴史・文化を活かしながら、活力ある町並みや良好な生活環境の構築を目指した景観づくりに取り組みます。
○今川沿い田園エリア
四季折々の自然風景を写すダム湖と段々に連なる田園風景や山なみを活かした景観づくりに取り組みます。
問合せ:役場商工観光振興課歴史文化財係
【電話】82-1236
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