◆自治協議会の活動事例
▽インクルーシブ防災訓練~香椎下原校区(東区)~
インクルーシブ防災とは、あらゆる人を取り残さない防災のことです。
14の自治会・町内会がある香椎下原校区では、高齢者や障がいのある人など、避難時に支援が必要な人の個別避難計画を作り、日頃から民生委員と、民生委員をサポートする協力員が要支援者を見守っています。毎年防災訓練が実施されており、今年は、高齢者や障がいのある人などを含む約250人が参加し、校区で初めて要支援者の避難誘導訓練を行いました。
同校区の野中民生自治協議会会長(77)は、「日頃の活動を通して要支援者と顔見知りなので、スムーズに誘導できました。近隣の病院で働く作業療法士など医療の専門職が付き添ったことも、安心感を与えたようです。高台が多く、起伏に富んだ地域で、避難に不安を抱えている人も少なくありません。訓練はとても有意義で、人とつながることの大切さを感じました。今回の学びを生かし、皆さんが安心して住める地域をつくっていきます」と話しています。
▽西南学院大学学生との共創~西新校区(早良区)~
36の自治会・町内会がある西新校区では、平成28(2016)年から西南学院大学小出秀雄ゼミを中心とする学生有志(西南まちづくりラボ)と一緒に、地域の人々が防犯パトロールを行っています。
これをきっかけに、学生が子ども向けのイベントを開催したり、自治協議会や小学生の子どもを持つ父親の集まり「おやじの会」が主催する催しを手伝ったりしています。また、自治協議会の役員も、大学に依頼されて普段の活動を紹介する講演や、地元の歴史を紹介するまち歩きを行っています。
小出教授(53)は「地域の人との交流は、学生たちにとっても、貴重な経験です。ここからまちづくりに関心を持つ学生が一人でも増えることを期待しています」と話します。
同校区の元村桂助自治協議会会長(69)も、「学生の参加に感謝しています。どの地域も活動の担い手が不足していると聞きます。私たちの校区では、学生やPTA、おやじの会などの協力を得ながら活動しています。できる範囲で構わないので、多くの人に参加してもらえるとうれしいですね」と話しています。
◆みんなで暮らしやすいまちに
○共創自治協議会サミットを開催
日時:11月29日(金)午後1時30分~3時30分
場所:SAWARAPIA(早良区百道二丁目 旧ももちパレス)大ホール
定員:800人
料金:無料
・博多区春町自治会の「地域猫活動」
・南区横手校区自治協議会の「子ども会の活性化」
・早良区高取校区の「外国人との交流や日本語教室」
の事例発表が行われます。NPOと地域が共働し、環境保全や高齢者福祉等の課題解決を目指した取り組みも紹介します。
詳細は、市ホームページ(「福岡市 共創自治協議会サミット」で検索)で確認を。
○ふくおか共創パートナー企業に登録しませんか
市は、地域でまちづくりを盛り上げてくれる、企業・団体・商店街等を「ふくおか共創パートナー企業」として登録しています。登録企業は、活動を通して地域の皆さんと顔なじみになり、企業を身近に感じてもらうことができます。また、活動の様子を市ホームページで公開します。
詳細は、市ホームページ(「ふくおか共創パートナー企業」で検索)で確認を。
問い合わせ先:コミュニティ推進課
【電話】092-733-5161【FAX】092-733-5595
◆地域の活動に参加して「ふくおかポイント」をためよう
市は、校区の清掃、夏祭りや運動会等の行事の企画運営など、地域のボランティア活動等に参加した人にポイントを付与する「ふくおかポイント」の実証事業を行っています。
活動の際に、スマートフォン等で二次元コードを読み取ると、ポイントを受け取ることができます。たまったポイントは、美術館や市民プールなどの利用チケット、非常用保存食セット、福岡マラソンの優先出走権など、さまざまな特典に交換することができます。
5月から次の九つの校区で実証事業を行っています。
・東区…美和台、照葉
・博多区…那珂、弥生
・中央区…当仁
・南区…塩原
・城南区…堤丘
・早良区…西新
・西区…金武
○モデル校区を追加募集
来年度から実証に参加するモデル校区を12月ごろから追加募集します。詳細は各自治協議会あてに案内します。
ふくおかポイントの詳細は、市ホームページ(「福岡市 ふくおかポイント」で検索)でご確認ください。
問い合わせ先:ふくおかポイント事務局(企画調整部内)
【電話】092-711-4093【FAX】092-733-5582
◆金武校区での実証
金武校区では、祭りや運動会など校区で実施される主要行事を対象に実証を行っています。
9月に行われた「夕まつりinかなたけ」には、地域の住民が企画や準備、会場設営などに携わり、32人がポイントを受け取りました。
井長京子自治協議会会長(63)は、「地域の活動をより多くの人に知ってもらいたいと、実証事業に参加しました。地域の皆さんも楽しく活動しながらポイントを受け取っています。ふくおかポイントを知って参加した人もいました。この取り組みをきっかけに、地域の輪が広がってほしいですね」と話しています。
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