◆ようこそ福岡市へ 市動物園にゾウがやって来た
7月30日、待望のアジアゾウ4頭が市動物園にやって来ました。現在、新しい環境に慣れるため、トレーニングをしています。全面公開を前に、ゾウエリアの見どころを紹介します。
約四千キロメートル離れたミャンマーから、雄1頭、雌3頭のゾウが市動物園に無事到着しました。そのうち2頭の雌は親子です。6人のチームが、現地から同行した獣医師とマフー(ゾウ使い)から、ゾウとの関わり方を学びながら世話をしています。全面公開は、10月末頃を予定しています。
▽7年ぶりにゾウが仲間入り
ゾウのはな子が平成29(2017)年に亡くなるまで、市動物園には、常にゾウがいました。人気者だったゾウを再び迎えようと、市は、姉妹都市・ヤンゴン市(ミャンマー)との交流の一環として、令和元(2019)年にヤンゴン動物園と動物交流に関する覚書を締結し、受け入れ態勢を整えてきました。
▽故郷に近い環境を再現
開園以来、初めて迎える雄ゾウのためにゾウ舎を新築し、雌ゾウのために従来のゾウ舎をリニューアルしました。寒い冬でも快適に過ごせるよう、暖房を完備しています。
ゾウたちがストレスなく運動できるように、運動場を以前の約3倍に広げ、園の地形を生かした、高低差約13メートルの丘を整備しました。
水遊びや泥遊びができるプールも設けています。長い鼻でボタンを押したり、センサーに鼻を反応させたりすると、水が出て遊べる仕掛けもあります。
ゾウは草や木の枝、野菜、果物などを1日100キログラム食べます。そのため、餌を探して1日の大半を過ごします。故郷にいた時と同じように、自分で餌を探して、好きな時にいろいろな物を食べられるよう、飼育担当が壁の穴や土、砂の中などに隠しています。毎日違った場所に置くことで、ゾウを飽きさせないための工夫です。
-市動物園 川越浩平園長(55)に聞きました
これまで、ゾウの到着を待ちわびる声をたくさん聞いてきました。ようやく皆さんに報告することができ、ほっとしています。4頭とも福岡の気候に慣れ、毎日餌をもりもり食べたり、プールで水遊びをしたり、運動場を歩き回ったりして、のびのびと暮らしています。
初めてゾウを見る子どもたちもたくさんいるでしょう。体の大きさや鳴き声、餌の量、うんちの大きさなどにきっと驚くと思います。ゾウ舎の周りには、生態などを紹介したプレートも設置していますので、こちらもじっくり見てください。
アジアゾウは、森林伐採などの影響で住む場所をなくし、生息数が減っています。今後は、大学等と連携し、飼育下でのアジアゾウの行動などを研究しながら、繁殖にも取り組んでいきます。また、ゾウに興味を持ったことをきっかけに、地球環境を守るために何ができるのかを考える「教育の場」としての役割も果たしていきたいと考えています。
ゾウたちに会えるのも、もうすぐです。ぜひ皆さんで、かわいがってあげてください。そして、私たちと一緒に成長を見守ってください。
ゾウの様子は、ホームページ(「福岡市動物園」で検索)等で随時発信しています。
○飼育員さん、ゾウさんのこと教えて
『泥遊びや砂遊びが大好き』
泥は、太陽光(紫外線)や虫からゾウの体を守ってくれます。鼻で全身に砂を掛けたり、ごろーんと寝そべって気持ちよさそうに巨体に砂をこすりつけたりするのも、そのためなんです。
『鼻がすごいゾウ!』
長い鼻を使って水や砂を浴びたり、ゾウ同士であいさつしたり、下に落ちている餌をかき集めてつまんだり―。状況に応じて器用に鼻を使い分けるゾウの動きは面白いですよ。
◆福岡市とヤンゴン市の姉妹都市交流
福岡市は、平成28(2016)年12月にミャンマー最大の都市・ヤンゴン市と姉妹都市になりました。市はこれまで、JICA(国際協力機構)水道分野専門家としての市職員派遣や、浸水対策などの技術支援、「福岡方式」によるごみの埋め立てなどの技術協力等を行ってきました。
現在は、市内に住むミャンマー人の皆さんとの市民・文化交流を行っています。今年5月3日、4日の博多どんたく港まつりでは、「福岡・ミャンマー友達の会」の協力によって、博多駅前広場でミャンマーブースの出展や民族舞踊の披露などが行われました。姉妹都市交流に関する問い合わせは、国際交流課(【電話】092-711-4023【FAX】092-733-5597)へ。
◆ゾウを支える仲間になろう「エレ・ファンクラブ」メンバー募集
ゾウの快適な生活を支援する仲間を募集します。動物園の窓口で、1口1,000円から寄付を受け付けます。寄付をした人には、オリジナルのゾウ缶バッジを1口につき1個差し上げます(全4種。種類は選べません)。
寄せられた寄付金は、ゾウの餌代などに使用します。
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Fukuoka Zoo
福岡市動物園
場所:中央区南公園
【電話】092-531-1968(総合案内所)【FAX】092-531-1996
開館時間:午前9時~午後5時(9月14日までの毎週土曜日は午後9時まで)
※いずれも入園は閉園の30分前まで
料金:大人600円、高校生300円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日)
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