地元の農産物を購入する「地産地消」は身近なSDGsの取り組みとして近年あらためて注目されていますが、農業はどこの地域でも高齢化が進み、若い担い手が不足している現状があります。
しかし、芦屋町には安全で安心なおいしい農産物を生産するため、情熱と誇りをもって、日々努力する農家の人が数多くいます。
今回は、2年前からふるさとで農業後継者としての道を歩み始めた本田琢人さんにフォーカスし、職業としての農業の魅力を考えてみます。
■実家の農業を途絶えさせたくない
本田琢人さんは、高校を卒業後、音楽の専門学校で音楽を学び、福岡市などでドラマーとして活動していました。農業をするつもりはなかったそうですが、新型コロナウイルス感染症が流行し、両親から農業を学べないまま実家の農業を途絶えさせてしまうのではないかという不安があったそうです。そこで、芦屋に戻ることを決め、30年以上農家を営んできた父の本田新あらたさんの後継者として粟屋地区で大根やきゅうり、ほうれん草などの作付けをしながら修業しています。現在でも北九州でドラムの講師やミュージシャンとしての活動は続けており、ミュージシャンと農家の二刀流で頑張っています。
■農業って大変、でも種から芽が生える時はかわいい
「農業を始めてから休みがなくなったことが一番大変でした。朝5時30分ごろに起きて直売所に出荷して、そこから畑に戻り作業をして、夕方に野菜の袋詰めをして、毎日大変です。しかし、種から芽が生える瞬間はとてもかわいいですし、手間をかけて育てた野菜が、自分や消費者の口に運ぶまで育てたという達成感はとてもあります。また、大人になってこんなに土をいじることがないので童心に帰ったようで楽しいです」。
■農業と音楽で地元を盛り上げたい
「農業と音楽はかけ離れていると感じますが、農業を始めてから、音楽で知り合った人が自分の作った野菜を遠方から買いに来てくれることもあります。また、例えばですが、農業祭などのイベントで、自分がドラムを教えた生徒たちがバンド演奏を披露して、芦屋で作られた野菜を使ったキッチンカーを出すといったことをして、若い世代から高齢者までを音楽と農業でつなげて、地元を活性化できたらと思っています」。
■地元の野菜を食べて欲しい!
「皆さんには『鮮度』に興味を持って野菜を食べて欲しいです。スーパーでは安い野菜がたくさん売っていますが、芦屋で獲れた新鮮な野菜は味が全然違います。実際に買って味を比べて欲しいです。また、芦屋の人が作っていると分かると安心ですよね。少しでもいいので芦屋の野菜の良さを味わってほしいです」。
■地産地消はSDGs
みんなで地元の農業を応援しよう!
私たちにもできる3つのポイントを紹介
◇(1)国産に愛着を持とう
日本の農業は、農薬の種類や使用する量などが細かく決められています。消費者の安全を第一に考えた生産を行っており、いつも新鮮でおいしい食材を食卓に届ける努力をしています。価格が安いからといって輸入品を選ぶのではなく、国産に愛着を持ち、安全性などを重視してみましょう。
◇(2)旬のものを食卓に
野菜には『旬』というものがあります。おいしい時期に国産のおいしい味を楽しむことが大切です。旬ではない時期は国内の生産量も少ないため、外国からの輸入に頼らざるを得ません。おいしく栄養価も高い食材を旬の時期に食べることは、輸入量を減らすことにもつながります。
◇(3)地産地消ー地元のものを食べよう(郷土の食材を味わう)
芦屋には安全安心なおいしいものがたくさんあります。地産地消では、地域で獲れた農林水産物が地域内でそのまま出回るため、新鮮で栄養価の高い食品を食べることができます。地元の農産物を食べて地元農家を応援することは、地域経済を応援することでもあります。自分の住んでいる地域の農家が、どんな農産物を作っているか知るためにも地元のものを食べてみましょう。
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