文字サイズ
自治体の皆さまへ

芦屋歴史紀行 その三百三十八

28/33

福岡県芦屋町

■芦屋歴史の里移転開館20周年記念特別展
「妖怪!百鬼夜行(ひゃっきやこう)~海にひそむもののけたち~」より(1)

原始、明かりは炉ではぜる炎だけであった時代、夜の闇は人に畏(おそ)れを教えました。今はいつでもどこでも何かしら明かりがある生活を送る私達ですが、停電した夜や、月や星が隠れた夜などは、ふだん見慣れた場所でさえ、よそよそしく人の支配を拒否しているかのようです。
海に面する町、芦屋で暮らしていると、波打ち際で長時間過ごす機会があります。月の光が煌々(こうこう)と照らす星月夜でも、寄せては返す海面を見続けると水底に引き込まれそうな錯覚に襲われます。ましてや朔月(さくげつ)や新月の頃ならなおさらです。現代の我々ですら闇や海に対して不安を持つのですから、乏しい明かりと不確かな知識しかない時代の人々ならなおさらでしょう。何かしら怪しい気配を感じることがあったとしたら、この怪しい気配に“妖怪”と名をつけ、少しでも理解しようとしたのでしょう。
自然や闇、わだつみ(海)に対する畏怖(いふ)や人の心にひそむ猜疑心(さいぎしん)・不安が妖(あやかし)を生み出しました。逆に言うと、人や明かりのない所には妖怪は生まれないのです。平安時代の都大路(みやこおおじ)を支配し、貴族たちを恐れさせた百鬼夜行には形がありませんでした。恐ろしいもの、凄まじきものとしか形容されていなかったのです。
これに対して、中世の絵巻物に登場する不思議な妖怪たちの行列も、百鬼夜行と呼びます。そのほとんどは付喪神(つくもがみ)と呼ばれる古びた道具が変化した姿をしています。職人が道具を作り、庶民が僅(わず)かながらも初めて自分の家財道具を持ち始めた、中世という時代が生み出した怪しげな妖怪の姿を見ることができます。地方にありながらも、往古より人が往来し、職人が住み、海辺の町であった芦屋には、怪異が多く伝わることも肯けるところです。
現代の日常生活では消えてしまった、懐かしくも怖ろしい闇。闇の中、海の中にひそむ妖怪と、ふるさと芦屋の接点を探ります。
(芦屋歴史の里)

◇特別展
日時:7月13日(土)~9月16日(月)・午前9時~午後5時
入館料:中学生以上200円、小学生100円

◇クイズラリー
参加者には、景品があります。
対象:中学生以下

◇ギャラリートーク
日時:(1)7月20日(土)、(2)8月17日(土)、(3)9月7日(土)・各10時より1時間程度
申込み:(1)7月13日(土)~19日(金)(2)8月10日(土)~16日(金)(3)8月31日(土)~9月6日(金)・午前9時~午後5時に芦屋歴史の里(【電話】222-2555)へ

▽共通項目
場所:芦屋歴史の里
協力:湯本豪一(こういち)記念日本妖怪博物館(三次(みよし)もののけミュージアム)
特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」

問合せ:芦屋歴史の里
【電話】222-2555
※月曜日は休館です。月曜日が祝日の場合は翌平日が休館です。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU