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行橋の生命(いのち)を繋ぐ者たち —救命救急24時—(1)

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福岡県行橋市

四年前の夏、それは突然のことでした。「お父さんが返事をしない。息をしていない。もう冷たくなっている」と電話口で泣き喚く母。横で寝ていたはずの父が、目を覚まさなかったのです。心筋梗塞でした。「救急車は呼んだ?119番はした?」と確認しましたが、「息子に連絡はしたけど、呼んでいない。どうしていいか分からない。」と泣くばかりでした。眠る直前まで隣で会話をしていた大切な人が、返事もせず、息もしていない状況に冷静な判断や対処ができるでしょうか。取り乱してしまい、なかなか冷静に対応できないことを目の当たりにしました。今回の特集では、1分1秒を争う救急の現場と救急救命士にクローズアップ。大切な人の生命を救うために、私たちにできることとは・・・

市消防本部における令和5年の救急出動件数は3,875件。過去最高を記録しています。平均10.6件/日、10年前の平成26年は8.6件/日、5年前の令和元年は9.1件/日と比較すると、この5年で急速に救急出動件数が増加しています。さらに令和6年上半期(1月~6月)の救急出動件数は過去最高を記録した昨年の上半期の出動件数1,755件を大きく上回る1,905件となっており、今後も救急出動件数の増加が見込まれています。現在、救急要請が発生した際、救急隊3隊が順番に出動をしています。救急出動件数が急激に増加している昨今、この3隊が全て出払ってしまうということも少なくありません。そのような中で救急要請がさらに発生した場合、現場への到着が通常に比べ遅くなってしまいます。令和5年の救急搬送者を重症度別に分けると、死亡1.2%、重症4.1%、中等症55.6%、軽症39.0%で軽症者が約4割を占めていることが分かります。もし本当に必要な方が救急要請した際に、全ての救急隊が出払っていたら・・・到着が遅れ、救える生命が救えないということになりかねません。

自分で病院へ行くか、救急車を呼ぶか迷ったら「すぐに119番通報してください!」と言いたいところですが、近年、救急車の不適切利用が社会問題となっています。前述しましたが、救急出動の約4割以上が入院を必要としない「軽症」の事案です。「救急車で行けば早く診てもらえる」「病院に行く交通手段がない」「タクシーはお金がかかる」などといった緊急性や重症感のない救急要請が多発しています。このような利用が増えると、生命の危険にある人を救えない可能性があります。あなたやあなたの身近な方が一刻を争うとき、いち早く救急隊が駆けつけることができるよう、病院へ自分で行くか、救急車を呼ぶかどうか判断に迷ったときは「♯7119(救急相談センター)」へまずはお電話ください。また、お子さんが夜間急に具合が悪くなったとき、すぐに受診すべきか、翌朝まで待ってもよいのか判断に迷ったときは「♯8000小児救急医療相談電話(こどもの救急電話相談)」へご相談ください。

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