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自治体の皆さまへ

NO PARK NO LIFE 理想の公園は、「知る」ことからはじまる。(1)

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福岡県行橋市

「週末は公園で遊びたい!」
「市内におすすめの公園ある?」
こんな質問に、皆さんはどう答えていますか。

◆公園は少ない?
「行橋市は公園が少ない!」この声は本当でしょうか。公園にはいろいろな種類がありますが、国や地方自治体が整備する公園を「都市公園」と呼びます。その都市公園も規模は様々。大分県が運営する「ハーモニーランド」、国が運営する「海の中道海浜公園」も都市公園で、行橋市内にも33箇所の都市公園があります。その代表は蓑島にある「行橋総合公園」、長井にある「長井浜公園」、そして行事にある1番新しい「長浜公園」です。
都市公園には設置基準があります。(本紙図参照)その基準と現在の整備状況を比較すると、およそ半分となっており、都市公園が量的に不足しているということは事実となっています。
さらに、市内には小規模な公園が多いこともあり、レクリエーションの場を求めるニーズに応えられていない、遊具や機能が現在のニーズに対応出来ていない、除草などの維持管理が十分でない、子どもたちが自転車などで行ける距離にない、などニーズに対する質的に不足しているという声も多く寄せられています。つまり、冒頭の声は量・質ともに真実であり、「いつも行きたいと思える公園が行橋市には少ない」ということになります。

◆公園は贅沢品?
では、なぜ少ないのでしょうか。はっきりとはしませんが、(1)山、川、海など公園と同じくらい遊べる自然がある、(2)お金がかかる、(3)市内になくても近隣にある、などが理由として考えられます。
(1)について、以前は家の近くの「空き地」や「自然」で、年齢の異なる子どもたちが一緒に遊ぶ風景をよく見ていました。しかし、遊べる空き地が少なくなったこと、自然の中で遊ぶリスクが顕在化していることは、時代の流れとも言うべきでしょうか。さらに最近では、子どもの声が「騒音」として議論になることもあり、公園内でも「大声を出さない」「ボール遊びは禁止」などといったルールが作られ、子どもたちがのびのびと「遊ぶ」ことの出来る場所はどんどん少なくなってきています。
(2)はつくる側の問題です。都市公園の整備は、想像以上にお金がかかります。大型遊具の設置ともなれば、一機あたり2〜3千万円。当然ながら、遊具も植栽も管理が必要です。人が集まる人気の公園は、設計はもちろん、きちんとした管理者が雇われ、それなりの費用がかけられているのです。
(3)は、「わざわざ多額のお金をかけて整備しなくても、近くにある」といった方が正しいでしょうか。確かに北九州市や福岡市であれば、高速道路でのアクセスが良好です。ただし、利用者は毎回時間とお金がかかります。大きな公園で遊びたい人だけがお金と時間をかける。これは一見公平に聞こえますが、公園は季節性のレジャー施設とは異なり、日常的な利用ができるものです。そのまちにとって公園が「嗜好品」や「贅沢品」に当たるかどうかは多くの疑問が残るところです。

◆これからの公園
公園整備は、レクリエーションやコミュニティの場、木や花などの自然を育て、心が和む場、そして災害が起きた場合には一次的な避難の場を提供することが目的です。しかし、これは一般的な目的であって、行橋市にとっては、ニーズに応えることはもちろんのこと、子どもたちがのびのびと遊び、多世代の大人たちがそれを見守りながら憩う、行橋市に住み続けることのワンシーンとなるような公園が求められるでしょう。
実は、日本の公園は欧米に比べると遅れています。欧米の公園は、段差がない、車椅子でも遊べる遊具がある、など「インクルーシブ公園」がスタンダートとなっています。
いかがでしょうか。年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが自然と笑顔になれるような公園に興味が湧いてきませんか。ワークショップに参加して、意見をぜひ聞かせてください。

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