SDGsが目的とする「持続可能な世界」とは、人類による地球環境の保全と利用、消費と再生とがバランスを保ち、人と自然の共存が実現できた世界です。今の環境問題は、解決すべき問題ばかり。
問題が大きくて何をすればいいか分からない、という人も多いのではないでしょうか。今回の特集では、那珂川市から地球の環境を守ろうと活動しているZ世代のアクションを紹介します。皆さんの環境アクションのきっかけになること間違いなしです。
未来のために今、できることを考えましょう。
◆やりたい=続けられる やりたくなる仕組みにしちゃおう
・福岡女子商業高等学校 女子商SPINNS(スピンズ)部
女子商SPINNS部は、全国で展開するアパレルブランドSPINNS(スピンズ)とコラボして活動する部活。
「ファッション」を通して商業を学んだり、地域社会に役立つアパレル活動を行っています。現在の部員は10人。
令和5年度からは、学校内や那珂川市内で不要衣類の回収を行い、ごみとして捨てられていたかもしれない衣類を、リユース販売やリメイクで、新しいファッションアイテムとして生まれ変わらせています。
入部のきっかけは「ファッションが大好き!」というSPINNS部の皆さん。「好きなことに関わりながら、環境にいいことにつながるから、楽しんで活動しています」と話してくれました。
女子商SPINNS部の活動は、環境フェアや五ケ山マルシェ、新幹線ふれあいデーなどで、自分たちの手でリメイクした衣類や雑貨を販売することからスタート。「毎年何か新しいことに挑戦する」という部の方針で、令和5年度は「女子商マルシェで自分たちでリメイクした洋服でファッションショーを初開催する」ことに決まり、実現させました。
スケジュールを考えながらのデザイン製作や縫製作業。準備期間は製作中の洋服が部室の机に山積みになっていたそうです。
さらに、ビューティークリエイティブ(部活動)とタッグを組んで、ヘアメイクについては全面依頼。モデルは、自分の作品を着てほしいと思う人に、直接出演を交渉。「リメイクファッションってかっこいい!」と思ってもらえる努力を細部にわたり突き詰めての本番。初めてのファッションショーは大観衆の中、大成功を収め、売り上げも過去最高を記録しました!
「たくさんの人が見に来てくれたことがとてもうれしかった。リメイクでこんなにカッコいい服がつくれるということを自分だけじゃなく、お客様にも体験してもらえたことが最高でした!」と満面の笑顔で話してくれました。
この特集の取材中も、話しているうちに自分たちのやりたいことがどんどん膨らんでいき、フリマアプリを利用して日本中にリメイクandリユースアイテムを発信していくことが決定!
たくさんの人に「ファッションを通して楽しく環境保全ができること」を知ってほしい!と次々と目標や、やりたいこと、アイデアが飛び出してきていました。
難しく考えず、まずは楽しいことから取り組んでいくことは、若い世代ならではの発想!
皆さんも好きなことからつながる環境保全に取り組んでみませんか。
◆わたしたちがつくる「ビオトープ」
・福岡県立柏陵高等学校 環境科学コース 2年生
37人の生徒が在籍する、福岡県立柏陵高校環境科学コースの2年生。その中でも6人の生徒からなる「なかがわミラクル未来チーム」が、授業課題の探究活動において、那珂川市の五ケ山ダムのビオトープの生態調査を実施しました。
昨年11月に開催された「環境フェア」では、その調査結果をもとに自分たちが考える自然共生社会や、環境保全の重要性について、多くの来場者に自分たちの言葉で伝えていました。
◇五ケ山ダムのビオトープ調査
五ケ山ダムの湖底となった地域には、水田が広がり、多種多様な動植物が生息する自然豊かな環境が広がっていました。
湖底となる地域で生きていた動植物が、引き続き生息できる湿地環境を整備した場所が「五ケ山ダムのビオトープ」です。
令和5年夏、なかがわミラクル未来チームで五ケ山ダムのビオトープの生態系の調査を実施。その結果、外来種がとても少なく、たくさんの動植物の生息が確認できました。
「人の手が入らなければ『生物多様性※』がこんなにも保たれるのか」という驚きと同時に、「地球上のあらゆる生命が、人間のためだけに存在しているわけではない」ということを痛感したそうです。
※いろいろな生物がバランスよく生きている状態。
◇わたしたちがつくるビオトープ
なかがわミラクル未来チームは五ケ山ダムのビオトープからヒントを得て、自分たちの学校内にビオトープを造設。学校周辺の生き物たちが暮らせる環境を整備し「自分たちでつくる」新しい生物多様性の保全に取り組んでいます。
◇那珂川市の自然を守りたい
「新しく環境を整えることで自然を守ることができると考えました。那珂川市の素晴らしい自然がこれからも守り続けられるよう、他にもやりたい探究課題がたくさんあります!」と目を輝かせて話してくれました。
これからの柏陵高等学校「なかがわミラクル未来チーム」の活動から目が離せません!
生物多様性を守る取り組みを「新たに自然環境(ビオトープ)をつくる」ことで実現!そのアイデアに脱帽です!
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