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自治体の皆さまへ

市民の健康教室

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福島県いわき市

■40歳過ぎたら眼底検査を
「40歳過ぎたら、眼底検査を受けるのだ!」2023年度のACジャパンのテレビ広報でアニメキャラクターのパパが訴えています。視力検査だけでは、目の病気の存在はわかりませんから、眼底検査の重要性をパパは伝えたいのです。
眼底とは球状の眼球の底(奥)のことで、肉眼では直接見えません。また、ここでいう眼底検査とは散瞳(目薬で瞳孔を開いた状態)して眼底検査用レンズを用いて行われる方法のことで、眼底の隅々まで観察することができます。無散瞳で受ける眼底検査や眼底写真撮影は、一部分だけを観察する簡易検査です。
例えば、日本人中途失明の原因疾患第1位となった緑内障では、加齢や眼圧などをはじめとする様々な原因から視神経が弱り、視野が欠けていきます。この一度欠けた視野は元には戻りません。眼底検査では視神経乳頭の陥凹(くぼみ)の拡大やこれに伴う網膜の色の変化がわかります。ご自分で視野の異常を感じたときには、すでに末期の状態というケースが少なくありません。
人生100年時代、40歳を過ぎたら定期的に眼底検査をはじめとする目の検査を受けて、生涯楽しい世界を見続けましょう。「見えていることは当たり前ではないのだ!」

■けんこうQandA
ー循環器科(9)ー
「心不全」を理解し、防ぎ、守り、共に生きるために知っておくべきこと
Q:人生会議について、もう少し詳しく教えてください。
A:人生会議(ACP)は、インフォームド・コンセントが同意書をとることだけでないように、延命処置の有無などの事前指示の文書を作成することのみではありません。意思決定能力低下に備えての対応プロセス全体を指します。患者さんの価値を確認し、個々の治療の選択だけでなく、全体的な目標を明確にさせることを目標にしたケアの取り組み全体のことを示しています。患者が治療を受けながら、将来(多くの慢性疾患の終末期がそうであるように)もし自分に意思決定能力がなくなっても、自分が語ったことや書き残したものから自分の意思が尊重され、医療スタッフや家族が、自分にとって最善の医療を選択してくれるだろうと患者が思えるようなケアを提供すること、そしてそのプロセス自体を指します。すなわち、一度決めたからといって覆せないものではなく、むしろ病状の進行や変化によって変わっていくものと理解して、話し合いを継続することが重要です。

■形成外科医療録(9)
ー女性と形成外科ー
以前にも取り上げましたが、乳がん摘出後の乳房再建や副乳などが形成外科の扱う事例です(乳がんや副乳は男性にも発症します)。乳頭が皮下に埋もれてしまう陥没乳頭も、妊娠出産を控える女性にとっては重要な問題です。
女性は子宮・卵巣・卵管といった内性器が腹腔内にあるので、手術で腹部を切開することが多くなります。ほとんどが縦切開で臍下(せいか)から下腹部にかけて、直線に切開します。この手術痕が、のちに肥厚性瘢痕やケロイドになる方が一定数おります。帝王切開の際に、目立たないようにと横切開を選択される方もいますが、それでも瘢痕やケロイドになることがあります。もちろん、この肥厚性瘢痕やケロイドの治療も形成外科の分野となります。
外性器にも悪性腫瘍が発症します。腫瘍摘出を婦人科医や外科医があたり、その後の再建として形成外科が連携することもあります。
余談ですが、診療報酬では、皮膚腫瘍・皮下腫瘍を摘出する際に、露出部と露出部外(非露出部)という区分けがあります。これは、簡単に説明すると半袖半ズボンの着衣の際に、皮膚が露出する部分が露出部、服で覆われた部分が露出部外ということで、報酬に若干の差がつくようになっています。性差による区別はありません。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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