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自治体の皆さまへ

〔特集1〕地域おこし協力隊卒隊後の「今」と「これから」(2)

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福島県いわき市

■元隊員と現役隊員によるクロストーク
ーこのまちで見つけた大切なもの。ー
・紺野琴水さん
元田人地区 地域おこし協力隊
・野村史絵波さん
現江名地区 地域おこし協力隊
・三戸大輔さん
元川前地区 地域おこし協力隊

本市ではこれまで、22人の地域おこし協力隊を任命し、卒隊後も本市に定住・定着している方は10人います。また、5人が現役隊員として今も地域で活動しています。隊員がそれぞれの地域で見つけた大切なもの。今回は、江名地区の現役隊員と元隊員との対談を通して協力隊の魅力をお届けします。

◇協力隊としてのスタート
紺野さん:神奈川に住んでいたので、生活は一変しました。それでも慣れていくしかないし、他の人が見たら、もしかしたらマイナスに思えることも自分でプラスに変えて楽しんでいるっていう風にしていたら、地域の方も優しく迎え入れてくれて、今では本当の孫のように、軽トラで会ったら「よう!」みたいな。こうしたコミュニケーション一つにしても、なんか家族の一員になれたような感動があって、協力隊での3年間の思い出というか、培ってきたものかなって思います。
野村さん:江名では協力隊が来るのが初めてということもあり、最初はまず、顔を覚えてもらうところから始めました。よく公民館を利用してくれるおばあちゃんたちに「頑張ってね」って声をかけてもらえるのがすごく嬉しいです。私の得意分野がデザインなので、それを生かして地域活性化ができたらなと思います。とはいえ、広報紙を作るとかまだ出来ていないので、そういうことをちょっとずつやっていったりして、地域の人たちにどんどん知って欲しいなって思いますね。
三戸さん:ビール作りへの焦りと初めての協力隊の仕事。このバランス取りに苦戦しました。3カ月経過したあたりから自分が将来やりたいこと、そのために今やるべきことの軸をしっかり持てるようになりました。焦ってもしょうがないですし、一歩ずつ丁寧に地域で活動していくことが、結果として良かったなと感じています。

◇「地域」とのつながり
三戸さん:自分の夢である川前でのビール作り。それが「本気」で「真剣」であることを、とにかく地域の方々にお話しさせてもらいました。そこからは結構変わったと思いますね。原料の栽培や収穫もたくさんの方に協力してもらえるようになったり、ブルワリーの物件探しで困っていた時も青年会の方に今の物件を紹介してもらったり。本当に地域の皆さんに支えられながらここまで来れました。
紺野さん:自分に迷いがある時って相手にはやっぱり伝わらないんですよね。ただ、自分の使命というか、やることが明確になれば自然と熱量に変わっていって、起業してからは特に責任の重さなども増え、さらに地域に対する熱量が大きく増えましたね。それを見る地域の方の「本当にやってくれたんだ」っていう信頼にもつながっていると思います。
野村さん:喜怒哀楽などの「感情」をしっかり表現することが、地域の方とのコミュニケーションに不可欠だと感じました。その感情を隠すことなくしっかり伝えることで、自分の豊かさにもつながるんだと思ったんです。東京に住んでいる時はそんな当たり前のことに気付かなくて、そのギャップこそが地方の魅力だと思います。その意味で、喜怒哀楽が揃ってることって、実はすごく贅沢だなって思わせてくれました。

◇卒隊した今「地域」への思い
三戸さん:とにかく感謝です。
紺野さん:私も同じで常に感謝です。今だってお店の扉をガラガラって開けて「琴水ちゃん!」って来てくれるのがとても嬉しいです。都会に住んでたらこんなことあり得ないし、そういう人と人とのつながり自体に価値があって感動的なものですし、もっと多くの人に体験してもらいたいと思います。

■江名をデザインする
地域おこし協力隊(江名地区)
野村史絵波(のむらしえな)

漁業で栄えたまち「江名」。ここには、当時の漁具、船具、写真などの漁業資料が残されていましたが、東日本大震災の津波により多くが被災を受け、十分な保管環境が確保できずに風化が進んでいました。江名地区の誇りである貴重な歴史と文化を後世につないでいくため、バラバラになった漁具の整理・記録をし、展示するための「資料館」づくりに取り組んでいます。
その活動は、まさに「漁具の大掃除」。気の遠くなるような大小さまざまな文化的価値が高い漁具などを収集し、一つ一つ丁寧に分類しています。毎月2回程度の活動ですが、地域の方の協力はもちろん、多くのボランティアの方々が参加されています。
このほかにも港町の美しい風景やマリンアクティビティを活用したブルーツーリズム事業と地域イベントへの企画・編集なども行っています。
地域の歴史と文化の継承、その魅力を生かして新たなにぎわいを生み出し、さらに好循環させていく。その原動力である「ひと」と「まち」をつなぐためのデザインが始まっています。

■地域おこし協力隊募集中
地域おこし協力隊は、地域におけるさまざまな活動を展開し、多種多様なプロジェクトを通じて、地域はもちろん、自身の可能性を広げるやりがいの大きい仕事です。
UIJターンなどを検討している方、いわき市に興味がある方、ぜひ「地域おこし協力隊」として、新しい物語をこの地で始めませんか?

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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