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自治体の皆さまへ

〔特集01〕動物愛護の輪を広げる(1)

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福島県いわき市

■知ってほしい現実
下のグラフをご覧ください。
家族の一員として大切に育てられている動物がいる一方、人間の身勝手な行動などによって行き場を失くした犬猫は保健所に収容されます。元の飼い主が見つかれば返還となり、元の飼い主が見つからないなどの場合は、新しい飼い主へ譲渡となりますが、返還や譲渡に至らない犬猫は殺処分されてしまいます。
なぜ、これだけ多くの犬猫が保健所に収容されるのでしょうか。それには、犬猫の特徴や繁殖力をしっかり把握できず、適切な対応ができないまま飼育することが大きな要因です。この現状を変えるため、そして、殺処分をゼロにするため、市民の皆さんに知ってもらいたいこと、そして、できることがあります。
本特集では、殺処分ゼロにつなげる飼育マナーや献身的に活動を行っている動物愛護団体の方々の取り組みを紹介します。

◇市保健所における犬猫の収容・譲渡・殺処分の推移

■不妊去勢手術の重要性
犬猫は、ともに繁殖力の高い動物です。特に、猫の場合、哺乳類の中でも珍しい「交尾排卵」という妊娠形態のため、交尾すればほぼ確実に妊娠し、1回の出産で4〜8匹の子猫を産みます。
また、その約2カ月後に子猫が離乳すると次の妊娠が可能になります。その子猫も生後6カ月前後で繁殖可能な年齢に達するので、繁殖サイクルが非常に速いことが特徴であり、環境省では、計算上、1匹のメス猫が3年後には、2千匹以上に増えると試算しています。
多頭飼育崩壊(飼育能力の限界を超えて繁殖した状態)によって捨てられた猫が、捨てられた先で繁殖を繰り返し、それによってふん尿被害や騒音など、さまざまなトラブルを巻き起こす可能性もあります。
犬猫の不妊去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、病気の予防や発情期特有の問題行動抑制にも効果的です。
不幸な命を増やさないために、また、動物の健康管理のためにも不妊去勢手術は重要です。

◇飼い主の皆さんへ
[(猫)飼い主の責務]
・不妊去勢手術
・室内での飼育
・迷子札の装着
・終生飼養
[(犬)飼い主の責務]
・狂犬病予防の注射
・不妊去勢手術
・迷子札の装着
・終生飼養
・ふんの適正処理
・しつけ
・放し飼いの禁止

■動物愛護団体の思い
◇飼い続ける覚悟
いわき「犬猫を捨てない」会 遠藤良志子さん
犬猫を取り巻く現状についての広報活動をはじめ、里親探し、動物愛護に関する講演会やセミナーの開催など幅広く活動しています。
「飼いたい」と「飼える」は別ものです。動物の習性を十分に理解し、最後まで世話をする覚悟が求められます。

◇人が果たす責任
アニマル・サポートの輪いわき 宮内育子さん
不妊去勢をサポートする会として発足し、手術のサポートなどを行っています。
飼っている人が責任を果たして、捨てる行為をなくせば、私どもの会は必要なくなります。いつかそんな時が来ることを願いながらこれからも活動していきます。

◇不幸な命増やさない
NPO法人LYSTA 鈴木理絵さん
「LYSTAシェルター」と「里親募集型保護猫ふれあいサロンOhana」で、常時150匹以上の犬猫を保護しています。
また、猫の不妊去勢手術を推進するため、いわきTNR病院を運営しており、殺処分ゼロを目指しています。
※TNR病院 猫の捕獲と不妊去勢手術を一体的に行う病院

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