◆日常生活から心がける 認知症の予防 〜認知症予防とは認知症にならないことではなく、発症や進行を遅らせること〜
前号は、認知症の種類や、特徴、主な症状について特集しました。今回は、日常生活の中でできる認知症予防のポイント、伊達市の認知症予防に関連する事業をご紹介します。
■予防のためにできる6つのこと
1.生活習慣病の予防
・生活習慣病により動脈硬化が進行すると、脳卒中を招き、脳血管性認知症の発症リスクが高まります。
・血管を守り、脳の血流の流れを良い状態に保つことで、脳血管性認知症の発症リスクを低下させることができます。
2.睡眠
・寝ることで、脳の老廃物(アミロイドβ)が排出されやすくなり、アルツハイマー型認知症の発症リスクを低下させることができます。
3.運動
・体を動かすことで、血圧・血糖値などの安定につがなります。
・運動によって脳の血流が良くなり、神経細胞へ栄養や酸素が運ばれ、不要なものが排出されやすくなります。
4.食事
・高齢期は低栄養予防も大切です。肉、貝類、穀類に含まれるビタミンB12は神経修復に必要なビタミンであり、高齢期ほど不足しやすいため積極的に摂取しましょう。抹茶などに含まれるポリフェノールは脳の老廃物を減らす効果があり、青魚などに含まれるDHA・EPAも認知機能改善に効果があるといわれています。
5.生活に「考える」「記憶する」「判断する」を取り入れる
・新聞を読む、買い物、献立を考える、楽器の演奏などの活動は、脳の働きを活性化させます。
6.他者との交流や、活動
・他者と話をすることで、脳が刺激され、活発化されます。頭や体を使い、楽しみにもつながります。
■健康づくり出前講座
伊達市では、市民の皆さんの健康づくりを応援するため、出前講座を実施しています。認知症の予防につながる生活習慣病予防や、体調に合わせた運動、認知症の早期発見のポイントが学べる内容となっています。
詳細は、ホームページをご覧いただくか、各お問い合わせ先へご連絡ください。
○生活習慣から大切な血管を守る、歯周病予防について
健康推進課【電話】576-3736
○元気づくり体験について
健幸都市づくり課【電話】575-1148
○介護予防・認知症予防のための運動について
高齢福祉課【電話】575-1125
※健康づくり出前講座の詳細、健康サラダ「認知症について」の視聴については本紙二次元コードよりご確認ください。
■認知症サポート医より
医療法人桑名医院 桑名俊光 医師
認知症は、生活習慣の工夫やコミュニケーションによって回復の見込みがありますが、放置すると悪化、進行してしまいます。初期の段階で認知症をみつけることが重要で、もの忘れがあるのであれば、積極的に相談・受診してもらい、それぞれの原因に向き合って対処していくことが大切です。
活動する機会が少ないと脳血流が悪くなり、アルツハイマー型認知症の原因となる不要なタンパク質が脳にたまりやすくなります。趣味を持ち、活動を楽しむことで、幸せホルモン(セロトニン)が増え、脳が活性化し生き生きします。
また、人とのコミュニケーションは非常に頭を使う作業です。テレビのような一方的な情報よりも、相手とのやり取りの中で脳は働きます。
大切なことは、物忘れがあったとしてもお互いに見捨てず、「大丈夫だよ」と連れ出してくれる仲間がいることです。認知症になっても安心できるような、助け合える地域を目指していきましょう。
■伊達市介護予防事業
介護予防事業として、元気づくり会や健幸クラブFineに取り組んでいます。適度な運動や、活動を楽しむことは、認知症予防につながります。
○元気づくり会
運動の習慣化、居場所づくり、社会参加を目的として、週2回、体調に合わせてストレッチや筋力トレーニングを実施しています。
○健幸クラブFine
健康運動指導士などによる支援のもと、参加者一人一人に合わせた効率の良い筋力トレーニングなどを実施しています。
次号では、認知症になっても住み慣れた地域で暮らしていくための生活支援や制度について特集します!
問合せ:高齢福祉課地域包括ケア推進係
【電話】575-1125
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