文字サイズ
自治体の皆さまへ

市長コラム 第66回

33/34

福島県伊達市

「スマート農業」

現在、日本の農業従事者数は、担い手不足と高齢化により過去20年間でほぼ半減しました。今後10年でさらに半減するとの予測もされています。農業従事者の減少は、耕作放棄地を増加させ、農業生産量を減少させ、ひいては国内自給率をさらに低下させます。また、景観や生態系を損なわせるだけでなく、災害発生のリスクも高めます。まさに生命や財産に危険を生じさせてしまうことになります。

それでは、なぜ農業は、他の産業と比べて後継者不足となるのか。農業には専門的な知識や技術が多いためマニュアル化が難しく、次世代に継承されにくい問題があります。若者や女性などさまざまな人が参入するためには、農作業を楽にすることや、経験の少ない人でも取り組める環境を整えることが必要です。そのため「スマート農業」という考え方が始まりました。

スマート農業は、生産現場の課題をロボットやAI、ICT※1、IoT※2など先端技術で解決する農業のことをいいます。例えば、ハウス内の温度・湿度・二酸化炭素濃度や、土壌中の水分量・養分量などをセンサーが自動で計測し、AIがデータを解析しシステムに命令することで、作物に最適な環境を創り出します。また、人工衛星からの位置情報を受信したロボットトラクターが自動走行で田畑を耕します。

このスマート農業が最も進んでいるのが高知県です。去る4月18日に市では、高知県から二人の講師を招き、「経験と勘からデータへ」をテーマに講演会を開催しました。みんなでデータを共有し、品質アップと収量増を実現しているとの紹介があり、スマート農業の必要性を強く感じました。

「農業」×「先端技術」=「スマート農業」が、夢のある農業を創り出す方程式だと思います。全国に誇れる伊達市の農業をさらに発展させるため、このスマート農業の取り組みを前に進めていきたいと思っています。

須田 博行

※ 1.Information and Communication Technology の略。通信技術を活用したコミュニケーションのこと。
※ 2. Internet of Things の略。身の回りのあらゆるものがインターネットを介して通信すること。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU