[特集]会津で、働く、私たち(1)

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公共交通や再生可能エネルギー、福祉、最先端のものづくり…。本市には多彩な分野で社会や地域に貢献する企業がたくさんあります。そこで働く若者たちの姿を通して、会津で働くことの魅力にふれてみませんか。

■脱炭素でエコな会津を実現したい
バンプージャパン(株)会津支社エネルギーソリューション担当　広瀬陸(りく)さん
再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)に関心があり、高等専門学校で水力発電、大学院で水素の水電解――「水素を作る」研究をしていました。やはり福島県は原発事故の影響もあり、他の県に比べても再エネへの注目度が高く、利用が重要視されている状況にあります。僕はずっと再エネの勉強をしていたので、それなら地元で働いたほうが再エネのいろいろな技術に関われるのではと感じて。それで会津に戻って就職したいと思ったんです。
バンプージャパン(株)は、主に太陽光発電などのクリーンエネルギー推進事業を行う企業で、僕は地域の特性に合わせた太陽光発電の設置・導入に関するお客様への提案をメインに行っています。太陽光発電は天候に左右されやすいので、電力の安定供給のため蓄電所を建設しようという構想もあります。県内でチャンスがあれば、その設置にも関わりたいですね。また、会津支社はスマートシティ会津若松の取り組みにも参画していて、脱炭素を推進するワーキンググループのリーダーを務めています。会津若松は脱炭素先行地域に採択されたという追い風もあるので、まずは会津の脱炭素を進め、クリーンエネルギーを通して地元の活性化に貢献したいです。
経歴：市内出身。学生時代は再生可能エネルギー分野を専攻。令和5年4月入社。休日はハイキングや登山、冬季にはスノーボードなどのアウトドアアクティビティを楽しんでいる

▽バンプージャパン(株)会津支社
再生可能エネルギーの供給を推進する、タイに本社を置くグローバル企業。会津支社では、産学官連携の実証事業や再生可能エネルギーの地産地消モデルの普及にも取り組む
所在地：東栄町1-77
主な事業内容：太陽光発電所・屋根置き太陽光発電・ソーラーカーポートの設置、蓄電池の導入など
※スマートシティAiCT内

■公共交通の力で地域を元気に!
会津乗合自動車(株)輸送管理課兼営業企画課　佐々木絢透(あゆと)さん
地域に貢献できる仕事がしたい。それが職探しの原点だったと思います。会津には学生時代によく旅行に来ていて、そこでふれた人のあたたかさに親しみを感じていました。さらに、ICTを活用した先進的なまちづくりの面からも、地方都市として伸びしろがあると思って。その会津で自分が地域に貢献できる場所として、公共交通を選んだんです。
現在は、輸送管理と営業企画を兼任しています。輸送管理部門では「バスの乗り方教室」を開催していて、幼稚園や小学校をバスで訪問しています。その講座の中でバスの説明をすると、たくさんの質問が返ってきたのがうれしかったです。子どもたちに自分の説明が伝わって、真剣に聞いてくれたんだなと。営業企画では、バスツアーの予約受け付けやお客様の問い合わせ対応の他にSNSなど広報業務も担当しています。お客様と直接関われるのが一番うれしいですし、やりがいですね。
今後、公共交通はまちづくりと一体化していくことが必要だと思います。それがお客様のニーズに応えると同時に地域全体の成長にもつながりますし、首都圏だけでなく、地方がそれぞれの良さそのままで共栄できれば良いですよね。
経歴：秋田県出身。新潟大卒。令和5年4月入社。公共交通を通じた地域貢献に関心があり、学生時代に旅行先として身近な存在でもあった会津地方に興味を持つ。趣味は旅行と食べ歩き

▽会津乗合自動車(株)
会津地方を中心にバス・タクシー事業を展開しており、80年にわたって地域の公共交通を支える。AIを活用した運行システムなど最新技術を積極的に導入している
所在地：白虎町195
主な事業内容：路線バス・高速バス・貸切バス・タクシーの運行など

■ゼロからものづくりの最先端へ
(株)会津クォーツマシニングオペレーター　大竹優雅(ゆうが)さん
最先端技術を支える石英(せきえい)ガラス※の加工を担当しています。石英ガラスはとても繊細で、適切な厚みにしていくのが大変難しく、集中力が求められる仕事です。石英ガラス自体が高価なものでもあるので、小さなミスも出さないように、完璧な状態で工程を終えることを意識しています。作業をしながら、加工後はどう使われるのかをよく考えます。加工後の製品はさまざまな機器や装置に使われていて、最先端の技術を支えるものづくりに携わっていることを実感しますね。
ものを作ることに興味があって、高校生の時に製造業に携わりたいと思うようになりました。入社当時はゼロからのスタートだったので「本当に自分にできるのかな」と不安でした。でも、1日単位では分からないですが、時間をかけてできるようになっていくのに気付くと、うれしさとやりがいを感じます。技術の向上を自分の中で実感するときもあれば、周りから評価していただける場合もあって、評価されるとモチベーションにつながりますし、「もっと頑張ろう」という気持ちになります。まずは自分の仕事をしっかりと覚えて、将来は部署を超えて頼られる存在になりたいですね。
※金属不純物の割合が少ない超高純度のガラス。耐熱性・透明度に優れ、薬品に侵されにくい性質をもち、情報機器や医療機器の精密部品などに利用されている
経歴：市内出身。郡山市の高校を卒業後、令和5年4月入社。ものづくりの仕事はゼロからのスタートで、日々技術を磨いている。小学生からバスケットボールに打ち込み、現在も地元クラブに所属している

▽(株)会津クォーツ
平成15年創業。半導体製造装置や光通信などに使われる高純度石英ガラス加工を中心に行う。大型加工品から微細加工品まで、さまざまなニーズに応える高い技術とノウハウをもつ
所在地：門田町工業団地288
主な事業内容：石英ガラス製品、シリコン製品及びアルミ製品加工