■熱中症予防は水分補給がポイント
市保健師 長島咲子
近年の夏は、日中だけでなく、夜中も暑さが続くなど、体に大きな負担が掛かるようになりました。熱中症になる人も増えており、令和5年に救急搬送された人は、全国で9万人を超えたそうです。
熱中症は、汗を大量にかくことなどで体内の水分や塩分が失われ、体温上昇と体温調節機能のバランスが崩れることで起こります。体温調節機能がうまく働かなくなると、体内に熱がこもり、さまざまな症状が出てきます。重症になると命の危険もあります。
さて、体内の水分量は、年齢によって違いがあることを知っていますか。例えば、成人の体内の水分量は60%といわれていますが、高齢者は50%まで下がるため、脱水状態になりやすくなります。また、乳幼児は70%と多いものの、代謝が活発なので、気付かないうちにたくさんの水分を失ってしまうことで脱水状態になってしまうことがあります。
体内の水分量を減らさないことは、自分でできる熱中症予防の一つです。食事などに含まれる水分を除き、1日当たり1・2ℓを目安に、喉が渇いていなくてもこまめに水分をとりましょう。
水分補給のときには清涼飲料水などではなく、水や麦茶がおすすめです。糖分を含む飲み物は、糖分が一気に体内に吸収されることで、血糖値が急激に上昇し、体に負担をかけてしまいます。ただし、大量に汗をかいたときは、水分とともに塩分や糖分を補給することが必要です。このようなときには経口補水液を選びましょう。ちなみに、アルコールや、カフェインを含むコーヒー、緑茶などは尿量が増え、体内の水分を排せつしてしまいます。水分補給ではなく、嗜好品(しこうひん)として考えてください。
今年も猛暑が予想されています。正しい水分補給で、今年の夏を乗り切りましょう。
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