■「フレイル」を予防しましょう
市保健師 長谷川恵
私たちは加齢とともにさまざまな機能が衰え、少しずつ虚弱になっていきます。それがいわゆる「フレイル」です。「フレイル」は、日常生活に支障が無い健常な状態と、要支援の間の状態を表します。
フレイル予防には、タンパク質を中心にバランスのとれた「食事」、日常生活で継続できる適度な「運動」、人とつながり、生き生きとした気持ちを維持する「社会参加」が大切です。
まず、食事についてです。食事は、3食の栄養バランスをしっかり考えることが大切です。特にタンパク質の摂取量が少ないと、筋肉量が減少し、心身の機能が衰えやすくなるため、高齢者は意識してタンパク質を含む食品を取ることが大切です。
次に、運動です。おすすめの運動は、自宅で簡単にできる「片足立ち」です。片足立ちは筋力アップだけでなく、骨を強くする効果やバランス感覚の改善も期待できます。自宅で3か月間、片足立ちを実践した結果、片足立ちをより長く行えるようになり、以前よりも歩行が安定するなどの効果がみられた人もいました。片足立ちは、1日3回程度を目安に、床につかない程度に片足を上げ、1分間キープすることを目標にしましょう。膝や腰などの関節の痛みがある人は、痛みの無い時に行ってください。ふらつく場合には、椅子などにつかまって行っても効果があります。転倒に注意しつつ、歯磨きや洗い物をする時など、生活の中で取り入れてみてください。
最後に、社会参加です。まずは、身近な家庭の中で役割をもちましょう。買い物や料理、掃除など、どんなことでも構いません。そこから、趣味活動や人との交流、地域活動などに範囲を広げましょう。
フレイル予防を始めるのに遅すぎるということはありません。今、自分ができることから始めてみましょう。
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