■妊娠・出産・子育てをする女性のこころ
市保健師 石田知寿(ちひろ)
妊娠、出産、子育ては、多くの人にとって喜ばしい出来事である一方で、妊娠とともに新たな命を育む女性の体や生活にはさまざまな変化が起こるため、精神的に揺らぎが生じやすい時期でもあります。
心身の健康を維持するためには、十分な睡眠と休養、バランスの良い食事などの健康な生活が大切です。「母親になったのだから仕方がない」ということは決してありません。母親になった女性が健康な生活を送ることができるからこそ、子どもの健康と成長、家族の健康や安心できる暮らしにもつながります。
ストレスへの対処方法を身に付けることも、心身の健康に効果があります。ストレスに対処するには、まず何がどのようにストレスの原因になっているのか、自身が気付く必要があります。そして、自分がリラックスできる方法(深呼吸する、音楽を聴く、入浴するなど)やストレス発散の方法(運動する、笑う、おしゃべりするなど)を見つけ、できれば出産前の妊娠期から試しておくことをお勧めします。
中には、子ども中心の生活のなかで「母親が自分のために時間を使ってはいけない」と考える人がいるかもしれません。しかし、「自分自身を大切にすること」も、人間が健康を保つための基本です。頑張りすぎず、自分を認め、大切にできる人は、子どもにも優しい目を向けることができるのではないかと思います。
男性の育児参加が少しずつ社会に広がっているものの、どの時代においても、母子の健康な生活や育児には、支援者が必要です。
市では、妊娠期から子育て期にわたり、「こども家庭センター」でさまざまな相談に応じています。自身と子どもの健康を守るためにも、支援を受けることをためらわず、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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