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おしえて博物館-五十三-

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福島県南相馬市

小正月行事「団子さし」

正月は盆と並ぶ大事な年中行事です。1月1日の「大正月(おおしょうがつ)」は年神(としがみ)を迎える大事な時期です。続いて1月15日を中心とする「小正月(こしょうがつ)」があります。古くは、大正月よりも小正月の方が重視され、多くの行事がありました。
小正月には農作物の豊作を祈願する「団子さし」「イナボ(稲穂飾り)」「お田植(たうえ)」「繭玉(まゆだま)」などと呼ばれる行事があります。豊作で稲穂が垂れ下がるようにとか、養蚕で繭が多く取れるようにと、あらかじめ祝って祈願する行事です。
ミズキやヤナギの枝に団子・恵比寿(えびす)・大黒(だいこく)・米俵・千両箱・繭などの縁起物をかたどったセンベイや絵札を枝がしなるほどつり下げます。大きなものは大黒柱に、小ぶりなものは神棚や床の間などに飾りました。
昔のように各家庭で作ることは少なくなりましたが、原町区矢川原では、大正時代から団子さしに飾るイナボセンベイを作っている農家があります。団子や恵比寿などの表・裏の型に小さな餅を入れて焼くと、膨らんでその形のセンベイができます。片方のセンベイの上の方に糸を出しておいて、両方のセンベイを張り合わせて成形し、赤・青・緑などに絵付けしてイナボセンベイができあがります。
近年の相双地方では、幼稚園や小学校、地域の交流事業として団子さしを行うところがいくつかあります。現代の団子さしは、地域内の交流や世代間交流という新たな役割も担っています。

問合せ:市博物館
【電話】23-6421

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