新年の挨拶

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◆南相馬市長　門馬　和夫
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
日頃より、市政伸展のため多大なるご支援とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年は、コロナ禍によって中断されていたイベントが市内各地で再開され、マスクの下に隠れていたたくさんの笑顔に触れ合うことができた一方で、9月には線状降水帯による豪雨が発生し、またしても自然災害に翻弄された年でもありました。相次ぐ自然災害から市民の皆様の安全安心な暮らしを守るため、今後も国県と協力しながら一層の対策を進めてまいります。
間もなく東日本大震災と原発事故から13年が経過いたします。
震災・原発事故からの復興を加速し、50年、100年後の未来にこの地域を繋いでいくためには、様々な分野において、それぞれが持つ強みや才能を発揮できる人材が必要であると考えています。市民の帰還促進の取り組みに加え、移住者や子育て世代への支援に力を入れてきた結果、多くの有望な若者が挑戦し、新たな文化や価値観が南相馬から発信される状況が生まれてきています。また、福島ロボットテストフィールドを中心とした新産業創出の推進により、40を超えるロボット・ドローン関連の事業者が進出しています。こうした流れをより確かなものとし、さらに裾野を拡げていくための取り組みが必要であり、人への投資は地域の未来への種まきだと考えています。
まず、南相馬市で育つこどもたちの教育を重視します。子育て支援の充実に加え、時代の変化を踏まえた教育を実践してまいります。既に「えいご発音あそび(R)」「フォニックス(※1)」などの外国語教育の充実を先行させていますが、児童・生徒の自主性や主体性を引き出す教育プログラムである「国際バカロレア(※2)」を研究し、本市の公教育の中で実施できないか検討してまいります。
また、本市の基幹産業の一つである農業の未来のため、4月に「みらい農業学校」を開設し、将来の農業を支える新たな人材を育ててまいります。
さらには、誰もが生涯にわたって学ぶことができる環境づくりに努めるとともに、まちづくりに積極的に参加いただける機会を提供できるよう取り組んでまいります。
市民一人ひとりが輝くかけがえのない未来のため、職員とともに一丸となって100年のまちづくりに力を尽くしてまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
さて、当地方の夏の風物詩・相馬野馬追でありますが、本年からは5月末の開催となります。一千有余年の歴史をこの先も繋いでいくためには、伝統の根幹を維持しながらも、変化は重要であると考えています。先人から受け継いだこの素晴らしい伝統文化を、時代に合った形で継承してまいります。
結びに、市民の皆様にとりまして、健やかで幸多い年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

※1　フォニックス
発音と文字の関係性を学ぶ音声学習法。アルファベットごとの発音を先に学ぶことで、知らない単語でも聞いただけで、正しく書くことができる。

※2　国際バカロレア
スイスに本部を置く国際バカロレア機構が提供するグローバル化に対応した素養・能力を育成する教育プログラム。世界159以上の国・地域の5600校以上で導入されている。

◆南相馬市議会議長　平田　武
輝かしい新年を迎え、謹んで初春のお慶びを申し上げます。
市民の皆様には、平素から市議会に対し、ご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
東日本大震災から13年目に入りますが、この間における自然災害の多様化と社会情勢の変動に戸惑うばかりであります。
そうした中、昨年を振り返りますと、1月、「2023年版住みたい田舎ベストランキング」総合部門と子育て世代が住みたいまち部門で県内1位(子育て世代が住みたいまち部門は東北エリア2位)の評価。空き家と住まいの相談窓口「ミライエ」の開設。3月、巣立ち応援18歳祝い金支給のプロモーションイベント。4月、JR原ノ町駅前広場・駐車場のオープン。5月、新型コロナウイルス感染症の分類が5類に引き下げ。7月、第4回日本子育て支援大賞を受賞。9月、台風第13号による被害、各区敬老会の開催。11月巣立ち応援18歳祝い金事業がプレスリリースアワード2023のローカル賞を受賞。12月、相馬野馬追開催日程変更が決議、令和6年度から5月開催などがあげられます。スポーツ界においては、男女ともにサッカーの日本代表チームの活躍、野球界においては、大谷翔平選手・山本由伸選手の活躍も輝いた年でもありました。
世界に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、北朝鮮のミサイル発射、中国の海洋進出など厳しい情勢に直面しています。一日も早く収まる事を願うばかりです。
紛争は、物価高騰や資材不足、急激な円安も加わり、日本経済にとって大きなダメージとなり、市民生活へも大きな影響を受けている状況となっています。
また、異常気象による自然災害の多さと新たな地球温暖化による熱波についても危惧されるところであり、市民一人ひとりの日頃からの防災意識の高揚が求められています。
市議会といたしましても、災害対応や物価高騰対策等に適切に取り組んでまいります。
今年の干支は辰(たつ)年であり、陽の気が動いて万物が振動するため、活力旺盛になり大きく成長し、形が整う年とも言われ、また、政治的変化が多い過去の動きがあり、戦後5回の辰(たつ)年で総選挙が3回行われています。
辰はあらゆる物事をいい方向へ導いてくれる力があるとされており、経済や景気などのあらゆる物事が上向きになることを期待するところであります。
結びに、2024年が市民の皆様にとりまして、穏やかな年となりますことをご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。