21人の高校生が「憧れの大人」を取材
タカワ精密
代表取締役 渡邉 光貴(こうき)さん
◆まさに職人!タカワ精密
南相馬市で40年以上の歴史を持つタカワ精密。設計から生産、そして設置のアフターフォローも含めた一貫生産体制をとっています。従業員一人一人が、時に手作業で微調整している姿は職人の世界。「一つ一つを丁寧に」という思いが聞こえるような作業風景が見られます。このタカワ精密代表取締役の渡邉さんは、挑戦を楽しむ心と地元への思い、まさにタカワ精密のモットー「挑戦!克(か)つ!」を原動力に、さまざまな機械の開発に挑戦し続けています。
◆経験を積み得たもの
東京でのエンジニア、実家を継ぐ前の日本一周など、多彩な経験の中で人との関わりや生きる力の大切さを実感したという渡邉さん。さらに東日本大震災の甚大な被害を受け「地域の防災や減災に役立つものを作り、地元の復興に貢献したい。地域を盛り上げたい」という思いが芽生えました。その後、タカワ精密を継いだ渡邉さんは、ロボットのまち南相馬市の一員として歩み出しました。今、新たな挑戦として取り組んでいるのが、市内の企業が共同で製作している災害対応ロボット「MISORA(ミソラ)II」です。前身のMISORAは2021年のワールド・ロボット・サミットで2位を獲得しており、2025年の次回大会では優勝を目指しています。
このロボット開発では、必要な技術が多岐に渡るため、複数の企業が力を合わせ作り上げます。仕事の進め方の統一など共同開発ならではの難しさはありますが、試行錯誤しながら全企業が一つの目標に向かって開発に挑戦する一体感を楽しんでいます。またこの開発が、ロボットのまち南相馬のアピールにつながり、この地域でのビジネスにつなげられたらと目を輝かせる渡邉さん。挑戦を楽しむ心と地元への思いが生かされていると感じました。
◆挑戦し得た経験を糧にする
渡邉さんは「とにかくいろいろなことに一生懸命挑戦していくことが大切」と話します。「さまざまな経験は自分の糧になる。困難に直面した時の心の支えになる」という渡邉さんはさらに「たくさん悩んだ時は人に相談する。そうすると気持ちが整理されて、思い切り挑戦できる」と相談する大切さも伝えてくれました。これまで挑戦することを大切にしてきた渡邉さんだからこその言葉に背中をそっと押してもらいました。
●編集後記
渡邉さんを表す言葉があるとするなら「前進」だと思います。物事に一生懸命向き合い、常に挑戦し進み続ける姿は、私たちに挑戦する勇気を与えてくれました。また、地元をより良くしようと歩みを続けている姿勢に嬉しさと感謝の気持ちが湧いてきます。高校卒業後、私たちはそれぞれの進路に進みます。これからの出会いと経験を大切にし、失敗を恐れることなく、いろいろなことに挑戦しようと改めて思いました。新たなステージに踏み出すこの時期に渡邉さんのお話を聞き、大変勉強になりました。
-編集部代表 原町高校3年 但野むつ美さん
(一般社団法人あすびと福島編集協力)
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