『市の昆虫は「○○○」?』
本市の「市の昆虫」って、皆さんはご存知ですか。答えは「ほたる」です。梅雨の時期の風物詩であるホタル。今回は、そんなホタルを見る機会が意外と減っている、というお話です。
「お尻が光る虫」というイメージのホタルですが、市内に生息する強く光るホタルの仲間は2種類です。
(1)ゲンジボタル
成虫は10~16mmとやや大型で、幼虫は水のきれいな水路や小川に生息し、水中で巻貝を襲って食べる肉食昆虫。成虫の発光は数秒間ほどの明滅を繰り返す。羽化の時期は6月上旬から中旬の梅雨入りの頃。
(2)ヘイケボタル
成虫は7~10mmとやや小さく、幼虫は水田や池に生息し、巻貝を食べる。成虫の発光は0・5~1秒間ほどの明滅で、いくつかパターンがある。羽化はゲンジボタルより遅く6月下旬頃。
どちらのホタルも護岸化されていない水路や池などの水際のコケに産卵し、大きくなった幼虫は岸辺の土中でさなぎとなります。
さて、ここまで説明したように、これらのホタルが好む水路や水田といった場所は市内のそこかしこにあります。では実際にそこら中でホタルが飛び回っているかというと、残念ながらそうでもありません。昔と比べ、現在ではどの水路を見てもコンクリートにより護岸化されており、ホタルが繁殖できる環境は意外と少ないのです。さまざまな調査の折に近隣の方にホタルのことを尋ねると「昔はよくいたが、今は見ない(少ない)」という答えがほとんどです。もちろん、いるところにはいるのですが、時折博物館にも「ホタルはどこで見られるか」という問い合わせが寄せられます。ただ、梅雨時の夜間にしか調査できないこともあり、毎年たくさんのホタルを観察できる場所となると、数カ所しか把握できていません。
今年も間もなくホタルの季節がやってきます。雨にぬれて少し蒸すような夜には、少しだけ近所を見渡してみてください。もしホタルを見つけたらぜひ博物館に知らせてくださいね。
問合せ:市博物館
【電話】23-6421
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